法令・制度 公開 更新
改正物流効率化法が11月1日に施行
貨物自動車中継輸送実施計画の認定と罰則
政府は2026年10月16日、改正物流効率化法の施行日を11月1日とする政令を閣議決定した。改正法(令和8年法律第21号)は、物資の流通の効率化に関する法律に中継輸送の促進の規定(第29条の2〜第29条の13)を加え、1つの長距離輸送を複数のドライバーで分ける「中継輸送」について、2つ以上の運送事業者が決められた施設で行う中継輸送の事業(施設を管理する者が運送事業者に施設を使わせる場合は、その事業を含む)の計画として共同で作る「貨物自動車中継輸送実施計画」を国土交通大臣が認定する仕組みを設ける。この記事では、改正前・改正後の条文、認定の要件、認定で「みなし」になる手続き、罰則、2026年4月に始まった特定事業者の規制との違い、立場ごとに確かめることを、e-Gov 法令検索の条文と国の発表から整理する。
この記事のポイント
- 11月1日(日)に施行施行日を定める政令は、10月16日に閣議決定され、10月21日に公布された(国土交通省)。
- 認定で認可・届出などが「みなし」に計画が認定されると、貨物自動車運送事業法の事業計画の変更の認可・届出、自動車ターミナル法の許可・届出、倉庫業法の登録・届出などが要るものは、受けた(した)ものとみなされる。
- 認定の対象は2事業者以上の中継2つ以上の一般貨物・特定貨物の運送事業者が決められた施設で行う中継が対象で、施設を管理する者が運送事業者に施設を使用させる場合は、使用させる事業も含まれる。軽貨物(黒ナンバー)の事業者は、この事業の定義に挙がっていない。
中継輸送は、1つの長距離輸送を複数のドライバーで分ける運び方で、11月1日から国の認定制度の対象になる。
マーカーを引いた文を節ごとに拾い読みするだけでも、要点が分かるように書いています。
何が決まったのか 施行日は11月1日
国土交通省は10月16日、改正法の施行期日を定める政令が閣議決定されたと発表した。改正法は2026年11月1日に施行され、1つの長距離輸送を複数のドライバーで分ける「中継輸送」について、2つ以上の運送事業者が決められた施設で行う中継輸送の事業(施設を管理する者が運送事業者に施設を使わせる場合は、その事業を含む)について、共同で作る計画を国土交通大臣が認定する仕組みが始まる。今回の改正法(令和8年法律第21号)は、物資の流通の効率化に関する法律に、中継輸送の促進の規定(第29条の2〜第29条の13)を加えるものである。
「改正法の施行期日を令和8年11月1日とします。」国土交通省 報道発表(2026年10月16日)
- 2026.5.20改正法を公布令和8年法律第21号
- 10.16施行日を決める政令を閣議決定国土交通省 報道発表
- 10.21政令を公布・基本方針と省令を公表官報(号外第231号)
- 11.1施行認定の仕組みが始まる
改正法の附則第1条は、施行日を「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日」としており、10月16日の政令でこれが11月1日に決まった。附則第2条は、国土交通大臣が施行の前でも中継輸送の基本方針を定められるとしており、定めて公表した基本方針は、施行日に法律の規定で定めたものとみなされる。10月21日の官報には、この基本方針(国土交通省告示第1290号)も載っている。
改正前と改正後で変わる条文
編集部は、e-Gov 法令検索で、11月1日の前(2026年10月16日施行の版)と後(11月1日施行の版)の条文を条ごとに比べた。中継輸送に関わる変更は次のとおりである。
| 第1条 目的 | 改正前は |
|---|---|
| 第29条の2 〜第29条の13 | 新設。 |
| 第74条 権限の委任 | 「第三章に |
| 第77条 罰則 | 報告を |
| 第79条 過料 | 機構の |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律(e-Gov 法令 API・2026年10月16日施行の版と11月1日施行の版を2026年10月28日に取得して比較)。このほか第4条・第6条・第10条・第11条・第13条・第30条は、号の番号や括弧書きの付け替え
今回の法改正で、第29条の2から第29条の13までの12の条が新しく加わり、あわせて目的(第1条)・権限の委任(第74条)・罰則(第77条・第79条)に中継輸送の規定が書き加えられる。国土交通省の発表が「中継輸送」と呼ぶ運び方は、条文では「貨物自動車相互間の中継輸送」と書かれている。
中継輸送とは 3つの方式
国土交通省は改正の目的を、次のように説明する。
「トラックドライバーの負担軽減を図りつつ、物流を維持するため、一つの長距離輸送を複数のドライバーで分担する「中継輸送」を推進することを目的とした」国土交通省 報道発表(2026年10月16日)
1つの長距離輸送を、中継拠点で運転者を替えて分ける(ドライバー交替方式の例)
国の手引きは、中継拠点で何を替えるかによって、中継輸送をドライバー交替方式、トレーラー・トラクター方式、貨物積替え方式の3つに分けている。
ドライバー交替方式
「中継拠点でトライバーが交替する方式です。他のトラック事業者の車両を運転する事となりますが、単車での実施が可能な方式です。中継拠点での作業も短時間で終わります。」
- けん引免許がなくても可能
- 拠点での交換作業は短時間
注意: 自社の車両が自社に戻るまでのスケジュールの検討が必要
トレーラー・トラクター方式
「中継拠点でトラクターの交換をする方式です。牽引免許を持っている運転者同士で行う事が必要ですが、中継拠点での交換作業は短時間で終わります。」
- ヘッド交換は数分で完了
- けん引免許が必要(スワップボディは不要)
注意: ヘッドとシャーシが連結可能かを事前に確認
貨物積替え方式
「中継拠点で貨物を積み替える方式です。中継拠点での積替え作業が発生しますので、中継拠点での作業時間は長くかかります。」
- 拠点での作業時間は長い
- 荷役作業員の確保が必要
注意: 「荷役作業時間短縮するための方策が必要」
出典: 国土交通省「中継輸送の実施に当たって(実施の手引き)」(2017年3月)・「中継輸送の取組事例集」(2020年1月)。原文の「トライバー」は誤植のまま引用
貨物自動車中継輸送事業と施設の定義(第29条の2)
認定の対象になる事業は、第29条の2第2号で「貨物自動車中継輸送事業」と定義されている。定義の中心は次の部分である。
「二以上の一般貨物自動車運送事業者…又は特定貨物自動車運送事業者…がその一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業…について運転者一人当たりの一回の運送における貨物自動車の走行距離を短縮することにより当該運転者の過労運転の防止を図りつつ、必要な物資が必要なときに確実に運送されるようにするために行う事業」物資の流通の効率化に関する法律 第29条の2第2号(2026年11月1日施行)
「貨物自動車中継輸送事業」は、2つ以上の一般貨物・特定貨物の運送事業者が、「特定貨物自動車中継輸送施設」で、それぞれの貨物自動車の間で運転者の交代か貨物の受渡しを行う事業で、施設を管理する者がその運送事業者に施設を使用させる場合は、使用させる事業も含まれる。定義に挙がる運送事業者は一般貨物自動車運送事業者と特定貨物自動車運送事業者で、貨物軽自動車運送事業者(軽貨物・黒ナンバー)は挙がっていない(編集部が2026年10月28日に条文を確認した範囲)。中継に使う施設は、第29条の2第1号で次の3つの条件を満たすものと定められている。
| 何の施設か | 2台以上の |
|---|---|
| 立地 | 「高速 |
| 休む施設 | 「入浴設備を |
| 設備 | 荷役に |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律 第29条の2第1号(e-Gov 法令 API・2026年11月1日施行の版)。「」の外は条文の要約
貨物自動車中継輸送実施計画の認定(第29条の6)
第29条の6第1項は、貨物自動車中継輸送事業を実施しようとする者が「共同して」計画を作り、国土交通大臣の認定を受けることができると定める。計画(貨物自動車中継輸送実施計画)に書かなければならない事項は、第2項の次の7つである。
| 1 | 貨物 |
|---|---|
| 2 | 事業を |
| 3 | 事業の |
| 4 | 事業に |
| 5 | 事業の |
| 6 | 運転者一人当たりの |
| 7 | 事業の |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律 第29条の6第2項(e-Gov 法令 API)。表は各号の要約
認定を受けるには、計画が基本方針に照らして適切であることや、使う施設の立地・規模・構造・設備が国土交通省令の基準に適合することなど、第29条の6第5項の各号のいずれにも適合する必要がある。国土交通大臣は、認定の前に関係する都道府県公安委員会の意見を聴く(国土交通省令・内閣府令で定める場合を除く)。施設の整備を計画に含める場合は、関係する都道府県知事の意見も聴く。認定を受けた後に計画を変える場合は、あらためて変更の認定を受けなければならず、要件に合わなくなったときや、計画どおりに事業を実施していないときは、認定が取り消されることがある(第29条の7)。
認定の事務の一部は、地方運輸局長に委ねられる。10月21日に公布された施行令の改正(11月1日施行)で新設された第14条第5項は、法第29条の6第1項・第5項〜第8項(第29条の7第3項で準用する場合を含む)、第29条の7第1項・第2項、第29条の13の規定による国土交通大臣の権限について、次のように定めている。
「…国土交通大臣の権限(一の地方運輸局の管轄区域内のみにおいて実施される法第二十九条の二第二号に規定する貨物自動車中継輸送事業に係るものに限る。)は、当該区域を管轄する地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に委任する。」物資の流通の効率化に関する法律施行令 第14条第5項(新旧対照条文)
1つの地方運輸局の管轄区域の中だけで行う中継輸送は地方運輸局長が認定し、複数の管轄区域にまたがるものは国土交通大臣が認定することになる〈推論〉。施設の基準を定める国土交通省令(国土交通省関係物資の流通の効率化に関する法律施行規則の第4条の4)と告示(第1289号)の条文は、編集部が2026年10月28日に確認した範囲では e-Gov 法令検索にまだ載っておらず、確認できていない。国土交通省が10月21日に公表した意見募集の結果には、意見の概要として、案の第4条の4第1号の「周辺5キロメートルの区域内に立地するもの」という基準と、規模の基準(貯蔵槽倉庫・冷蔵倉庫は容積4,000立方メートル以上、それ以外は床面積2,000平方メートル以上)が出てくる。これは意見を出した人の文を国土交通省が要約したもので、公布された省令の数値と同じかどうかは確認できていない。
認定で「みなし」になる手続き(第29条の8〜10)
計画が認定されると、計画に書いた事業のうち、ほかの法律の許可・認可・届出などが要るものについて、それを受けた(した)ものとみなされる。法律要綱は「許可等」とまとめているが、条文は法律ごとに次のように分けている。
| 貨物自動車 運送事業法 第29条の8 | 事業計画の |
|---|---|
| 自動車 ターミナル法 第29条の9 | トラックターミナルの |
| 倉庫業法 第29条の10 | 倉庫業の |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律 第29条の8〜第29条の10(e-Gov 法令 API・2026年11月1日施行の版)
貨物自動車運送事業法で「みなし」の対象になる手続きは、事業計画の変更の認可と届出で、一般貨物自動車運送事業を始めるための許可(同法第3条)は、この一覧に入っていない(編集部が2026年10月28日に条文を確認した範囲)。このほか、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、認定された計画に書かれた事業の実施に必要な資金の出資及び貸付けと、それに関連して必要な調査を行う(第29条の11)。国の行政機関の長や都道府県知事は、認定された計画に書かれた中継輸送施設の整備のため、都市計画法などの許可その他の処分を求められたときは、整備が円滑に行われるよう適切な配慮をするとされている(第29条の12)。
運送会社・荷主に求められること(努力義務)
第29条の4は、運送事業者と荷主・倉庫業者などの責務を定めている。運送事業者についての第1項は、次のとおりである。
「一般貨物自動車運送事業者及び特定貨物自動車運送事業者は、その運転者の過労運転の防止を図るとともに、基本理念の実現に資するため、相互に連携し、及び協働し、貨物自動車相互間の中継輸送を実施するよう努めなければならない。」物資の流通の効率化に関する法律 第29条の4第1項
運送事業者には中継輸送を実施するよう努める義務(努力義務)が、荷主・倉庫業者・積卸施設の管理者には、業務の遂行に支障のない範囲内で中継輸送の円滑な実施に協力するよう努める義務が定められている。国と地方公共団体にも、次の努力義務がある。
| 運送事業者 一般貨物・特定貨物 | 相互に |
|---|---|
| 荷主・倉庫業者・ 積卸施設の管理者 | 「その |
| 国 | 「貨物 |
| 地方公共団体 | 「貨物 |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律 第29条の3・第29条の4(e-Gov 法令 API・2026年11月1日施行の版)。第2項の主語は、条文では「荷主及び倉庫業者…その他の貨物自動車に係る貨物の積卸施設の管理者」。条文が「倉庫業者等」と呼ぶのは倉庫業者その他の積卸施設の管理者で、荷主は含まない(第29条の5第2項第4号は「荷主、倉庫業者等」と分けて挙げる)
中継輸送の規定の罰則と報告
第29条の13は、国土交通大臣が、認定を受けた事業者などに対し、計画に書かれた事業の実施状況について報告を求めることができると定めている。この報告に関わる罰則が、第77条に加わった。
「第二十九条若しくは第二十九条の十三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。」物資の流通の効率化に関する法律 第77条(2026年11月1日施行)
中継輸送の規定では、認定を受けた事業者などが、国土交通大臣から求められた実施状況の報告をしない場合と虚偽の報告をした場合が罰金の対象で、上限は30万円以下の罰金である。第78条により、法人の従業者などが業務に関して違反したときは、法人にも同じ罰金刑が科される。機構が出資・貸付けの基準の認可を受けなかったときは、機構の役員が20万円以下の過料の対象になる(第79条)。第29条の4の努力義務を果たさなかったことに対する罰則は、第6章(第75条〜第80条)に定めが無い(編集部が2026年10月28日に条文を確認した範囲)。
特定事業者・特定荷主の規制(4月施行)との違い
同じ物資の流通の効率化に関する法律には、2026年4月1日から、一定の規模以上の運送事業者・荷主・倉庫業者などを国が指定する規定(第37条・第45条・第55条・第64条)も入っている。e-Gov の改正履歴では、これは令和6年法律第23号による改正で、法律の名前も2025年4月1日に「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」から今の名前に変わった。指定の基準は、施行令で次のように決められている。
| 特定貨物自動車 運送事業者等 | 前年度の |
|---|---|
| 特定第一種荷主 | 前年度に |
| 特定第二種荷主 | 前年度に |
| 特定倉庫業者 | 前年度に |
| 特定連鎖化事業者 | 前年度に |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律施行令 第5条〜第7条・第9条・第10条(e-Gov 法令 API・2026年10月28日取得)。重量の算定の方法は主務省令・国土交通省令で定められる
2026年4月1日からの特定事業者の規制は、規模の基準以上の事業者を国が指定し、中長期的な計画の提出・毎年度の報告(特定荷主と特定連鎖化事業者は物流統括管理者の選任も)を義務づけるもので、事業者が申請する11月1日からの中継輸送の認定とは別の仕組みである。この規制には、基準以上になったときの届出をしない場合や計画を提出しない場合の50万円以下の罰金(第76条)、勧告に係る措置をとるよう命じられて、その命令(第40条第3項など)に違反した場合や、物流統括管理者を選任しない場合の100万円以下の罰金(第75条)がある。
立場ごとに確かめること
ここまでの条文を、記事の読者の立場ごとに並べると次のようになる。
| 運送事業者 一般貨物・ 特定貨物 | 中継輸送を |
|---|---|
| 軽貨物 黒ナンバー | 貨物 |
| 荷主・ 倉庫業者・ 積卸施設の 管理者 | 業務の |
| 中継の施設を 管理する者 | 運送事業者に |
| 150台以上の 運送事業者・ 9万トン以上の 荷主など | 中継輸送とは |
出典: 物資の流通の効率化に関する法律(2026年11月1日施行の版)・同施行令をもとに編集部が整理
中継輸送の認定を受けるかどうかは事業者が決めることで、一般貨物・特定貨物の運送事業者に条文が求めていることは、中継輸送を実施するよう努めることである。認定を受けない中継輸送(同じ会社の営業所の間の中継など)が11月1日以降に禁止されるという定めは、中継輸送の章(第3章・第29条の2〜第29条の13)に無い(編集部が2026年10月28日に条文を確認した範囲)。
編集部の見方
中継輸送が法律で後押しされる背景と、運送会社への影響を整理する
01
背景にある時間の上限と輸送力の不足
2024年4月から、トラック運転者の時間外労働の上限は、原則月45時間・年360時間、臨時的特別な事情がある場合でも年960時間になり、1年の拘束時間も原則3,300時間(それまでは3,516時間)になった(厚生労働省)。国の検討会の最終取りまとめ(2023年8月)は、株式会社NX総合研究所の試算として、年間の拘束時間の上限を原則3,300時間とした際に、荷待ち時間の減少等の対策を行わなかった場合、2024年度に輸送能力の14.2%が不足すると見込まれ、ドライバー数の減少の影響も加味して試算した場合、2030年度には34.1%が不足する可能性があると示している。
1人の運転者が長い距離を運び切る運行は、こうした上限の中では組みにくくなる〈推論〉。長距離の運転を複数の運転者で分ける中継輸送は、時間外労働と拘束時間の上限の中で長距離の輸送を続ける方法になりうる〈推論〉。改正法も、貨物自動車中継輸送事業の定義と事業者の責務(第29条の2・第29条の4)に、運転者の過労運転の防止を書いている。
トラック運転者の1年の拘束時間の上限
不足する輸送能力(試算)
出典: 厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」/持続可能な物流の実現に向けた検討会「最終取りまとめ」(2023年8月・株式会社NX総合研究所の試算)。2024年度は2019年度比で対策を行わなかった場合の見込み、2030年度はドライバー数の減少も加味した可能性。棒の長さはそれぞれの最大値に対する割合
02
方式によって必要な車両と免許が異なる
国の手引きは中継輸送を3つの方式に分けている。ドライバー交替方式は単車で行え、けん引免許も必要ない。トレーラー・トラクター方式は拠点でヘッドを付け替えるため、けん引免許とシャーシの連結の確認が必要になる(スワップボディなら免許は不要)。貨物積替え方式は拠点での作業時間が長くかかり、荷役作業員を確保しなければならない。
どの方式を選ぶかによって、運送会社がそろえる車の組み合わせ(単車か、トラクターとシャーシか)も変わることになる〈推論〉。中古車の需要がどう動くかを示すデータは、編集部では確認できていない。
03
公表された省令・告示と今後の日程
認定の中身を決める省令と告示は、施行日を決める政令と同じ10月21日の官報で公表された。同じ号外第231号の官報の目次に載った、この法律に関わる府令・省令・告示は、「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う国土交通省関係省令の整備に関する省令」(国土交通省令第84号)、施行規則第4条の4第6号に基づく国土交通大臣の定める基準(国土交通省告示第1289号)、「貨物自動車相互間の中継輸送の実施に関する基本的な方針」(国土交通省告示第1290号)、「物資の流通の効率化に関する法律に基づく総合効率化計画の認定に係る都道府県公安委員会の意見の聴取に関する命令の一部を改正する命令」(内閣府・国土交通省令第6号)の4つである。4つ目の命令の中身は、編集部では確認できていない。改正法の附則第3条は、政府が施行後5年を目途に施行の状況を検討し、必要があると認めるときは必要な措置を講ずると定めている。
認定を考える事業者は、基本方針と省令に加えて、中継輸送を行う区域を管轄する地方運輸局の案内もあわせて確認する必要がある。働く車買取ナビでは、施設の基準の条文が e-Gov 法令検索に載った時点と、最初の認定が出た時点で、続報で整理する。
出典: 厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」・持続可能な物流の実現に向けた検討会「最終取りまとめ」(2023年8月)・国土交通省 手引き・報道発表・官報(2026年10月21日 号外第231号)・物資の流通の効率化に関する法律 附則(令和8年法律第21号)
まとめ
- 改正物流効率化法(令和8年法律第21号)は2026年11月1日に施行される。
- 2つ以上の運送事業者が決められた施設で長距離の輸送を分ける中継輸送(施設を管理する者が運送事業者に施設を使わせる場合は、その事業を含む)の計画(貨物自動車中継輸送実施計画)を、国土交通大臣が認定する。1つの地方運輸局の管轄区域内のみで行うものは、地方運輸局長に委任される。
- 計画が認定されると、貨物自動車運送事業法の事業計画の変更の認可・届出、自動車ターミナル法の許可・届出、倉庫業法の登録・届出などが「みなし」の扱いになる。
- 運送事業者の中継輸送は努力義務で、中継輸送の規定で罰金の対象になる行為は、認定を受けた事業者などの報告の違反(30万円以下の罰金)である(編集部が条文を確認した範囲)。
- 2026年4月からの特定事業者・特定荷主の規制(150台以上・9万トン以上などで指定)は、中継輸送の認定とは別の仕組みである。施設の基準を定める省令の条文は、確認できていない。
よくある質問
改正物流効率化法の施行日はいつ?
2026年11月1日(日)です。施行日を定める政令は10月16日に閣議決定され、10月21日に公布されました(国土交通省)。同じ物資の流通の効率化に関する法律で2026年4月1日に始まった特定事業者・特定荷主の規制は、別の改正(令和6年法律第23号)によるもので、11月1日の改正(令和8年法律第21号)とは施行日が違います。
中継輸送とは?
1つの長距離輸送を、途中の中継拠点で複数のドライバーが分担して運ぶ方法です。国の手引きは、拠点で何を替えるかによって、ドライバー交替方式、トレーラー・トラクター方式、貨物積替え方式の3つに分けています。改正法の条文では「貨物自動車相互間の中継輸送」と書かれ、このうち2つ以上の運送事業者が決められた施設で行うもの(施設を管理する者が運送事業者に施設を使わせる場合は、その事業も含む)が、認定の対象の「貨物自動車中継輸送事業」です。
貨物自動車中継輸送実施計画の認定を受けると、何が変わるの?
計画に書いた事業のうち、ほかの法律の手続きが要るものが、受けた(した)ものとみなされます。条文は、貨物自動車運送事業法の事業計画の変更の認可・届出(第29条の8)、自動車ターミナル法の許可・届出(第29条の9)、倉庫業法の登録・変更登録・届出(第29条の10)を挙げています。一般貨物自動車運送事業を始めるための許可(同法第3条)は、この一覧に入っていません(編集部が2026年10月28日に条文を確認した範囲)。
認定の申請はどこに出すの?
法律では、共同で作った計画を国土交通大臣に提出します(第29条の6第1項)。11月1日に施行される施行令は、1つの地方運輸局の管轄区域内のみで行う中継輸送の認定などの権限を、その区域を管轄する地方運輸局長(運輸監理部長を含む)に委任しています。申請の書類の細かな決まりは国土交通省令で定められ、その条文は編集部が2026年10月28日に確認した範囲では e-Gov 法令検索にまだ載っていません。
軽貨物(黒ナンバー)の事業者も認定の対象?
対象として挙がっていません。認定の対象となる「貨物自動車中継輸送事業」の定義(第29条の2第2号)に挙がる運送事業者は、一般貨物自動車運送事業者と特定貨物自動車運送事業者です。第29条の4第1項の、中継輸送を実施するよう努める義務も、この2つの事業者が対象です。
中継輸送は義務になるの?罰則は?
運送事業者に定められたのは努力義務です。努力義務を果たさなかったことに対する罰則が、法律の罰則の章(第75条〜第80条)に無いことを、編集部が2026年10月28日に条文で確認しました。荷主や倉庫業者などにも、業務の遂行に支障のない範囲内で協力するよう努める義務があります。中継輸送の規定では、認定を受けた事業者などが国土交通大臣に求められた報告をしない場合と虚偽の報告をした場合が罰金の対象で、上限は30万円以下の罰金です(第77条)。
物流効率化法の「特定事業者」「特定荷主」とは、何が違うの?
特定事業者・特定荷主は、2026年4月1日から、規模の基準以上の事業者を国が指定する仕組みです。施行令は、運送事業者は事業に使う貨物自動車が150台以上、荷主は運送させた貨物などが年9万トン以上、倉庫業者は保管量が年70万トン以上を基準にしています。指定されると中長期的な計画の提出や毎年度の報告が義務になり、11月1日からの中継輸送の認定(事業者が申請するもの)とは別の仕組みです。
トラックを持つ運送会社には、どんな影響がある?
どの方式で中継するかによって、必要な車両と免許が変わります。ドライバー交替方式は単車で行え、けん引免許は要りません。トレーラー・トラクター方式はけん引免許とシャーシの連結の確認が必要です(スワップボディなら免許は不要)。中古車の需要がどう動くかを示すデータは、編集部では確認できていません。
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出典と参考資料
- 国土交通省「「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」を閣議決定」2026年10月16日 https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu03_hh_000023.html
- 国土交通省「「物資の流通の効率化に関する法律施行令及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定」2026年10月16日 https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu03_hh_000024.html
- 同 添付【新旧】物資の流通の効率化に関する法律施行令及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法施行令の一部を改正する政令 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002027002.pdf
- 国土交通省「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律要綱」 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002026994.pdf
- 物資の流通の効率化に関する法律(平成十七年法律第八十五号)2026年11月1日施行の版・2026年10月16日施行の版(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000085
- 物資の流通の効率化に関する法律施行令(平成十七年政令第二百九十八号)(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417CO0000000298
- 国土交通省「「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う国土交通省関係省令の整備に関する省令案」に関する意見募集の結果について」2026年10月21日(e-Gov パブリック・コメント) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000322644
- 国土交通省「「国土交通省関係物資の流通の効率化に関する法律施行規則第四条の四第六号の国土交通大臣の定める基準」に関する意見募集の結果について」2026年10月21日(同) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000322643
- 国土交通省自動車局貨物課「中継輸送の実施に当たって(実施の手引き)」2017年3月 https://www.mlit.go.jp/common/001178753.pdf
- 国土交通省自動車局貨物課「中継輸送の取組事例集」2020年1月 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001325036.pdf
- 持続可能な物流の実現に向けた検討会「最終取りまとめ」2023年8月 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001626756.pdf
- 厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」 https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice
- 官報 2026年(令和8年)10月21日 号外第231号(目次) https://www.kanpo.go.jp/20261021/20261021.fullcontents.html
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訂正・追記
- 改正前・改正後の条文、貨物自動車中継輸送事業と施設の定義(第29条の2)、計画の認定(第29条の6・第29条の7)と地方運輸局長への委任、認定で「みなし」になる手続き(第29条の8〜第29条の10)、罰則(第77条)、2026年4月施行の特定事業者の規制との違い、立場ごとに確かめることを追記しました。認定の効果を、運送・ターミナル・倉庫の許可などを受けたものとみなす、とまとめていた箇所は、条文に合わせて手続きごとに書き分けました。


