法令・制度 公開
軽貨物の安全管理者講習はいつまで?
既存の事業者は令和9年3月31日までに選任
黒ナンバーで軽貨物の仕事をする事業者(貨物軽自動車運送事業者・バイク便を除く)は、営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者を1人選任しなければならず、令和7年3月31日以前に経営届出をした既存の事業者は令和9年3月31日まで選任が猶予され、令和7年4月以降に届け出た事業者は、届出の後、事業を始める前までに速やかに選任する。選任できる人は、国土交通大臣の登録を受けた機関の貨物軽自動車安全管理者講習を選任の日前2年以内に修了した人などで、選任した後も2年ごとに定期講習を受けさせる(一般貨物自動車運送事業などの運行管理者として選任されている人を除く)。1人で事業をしている個人事業主も選任が要り、国土交通省は、基本的に自分自身を選任し、配偶者などの家族従業者から選ぶこともできるとしている。
この記事のポイント
- 既存の事業者の選任は令和9年3月31日まで令和7年3月31日以前に貨物軽自動車運送事業の経営届出をした事業者(バイク便を除く)は、安全管理者の選任が令和9年3月31日まで猶予されている。令和7年4月以降に届け出た事業者に猶予は無く、届出の後、事業を始める前までに速やかに選任する。選任した後は、選任の日から2年ごとに定期講習を受けさせる(一般貨物自動車運送事業などの運行管理者として選任されている人を除く)。
- 1人の個人事業主も選任が要る(自分か家族従業者)黒ナンバーの軽自動車(四輪以上・バイク便を除く)で1人で事業をしている個人事業主も、営業所ごとに1人の選任が要る。国土交通省のFAQは、基本的に自分自身を選任し、配偶者などの家族従業者から選ぶこともできるとしている。運行管理者資格者証を持っているだけでは選任できない。
- 講習は登録機関で5時間以上、届出に修了証明書の写し講習は国土交通大臣の登録を受けた機関で受け、eラーニングと対面がある。費用は各講習機関に問い合わせることになっており(国土交通省のFAQ)、ナスバのeラーニングは5時間・3,700円である。選任したら、遅滞なく、営業所を置く都道府県の運輸支局等に届出書を出し、講習の修了証明書の写しを付ける。
マーカーを引いた文を節ごとに拾い読みするだけでも、要点が分かるように書いています。
令和7年4月から、黒ナンバーで軽貨物の仕事をする事業者に、安全のための新しい義務が加わった。中心になるのが「貨物軽自動車安全管理者」の選任と講習で、既存の事業者の猶予は令和9年3月31日に終わる。この記事では、貨物自動車運送事業法と輸送安全規則の条文、国土交通省のFAQ・リーフレット・講習機関の一覧、行政処分の基準、運輸支局の案内をもとに、黒ナンバーの軽バン・軽トラックで仕事をする個人事業主が知りたい点を問いの順に整理する。
軽貨物の安全管理者講習は、いつまでに受ければよい?(既存の事業者は令和9年3月31日までに選任・定期講習は2年ごと)
令和7年3月31日以前に経営届出をした既存の事業者(バイク便を除く)は、令和9年3月31日までに安全管理者を選任すればよく、選ぶ人は、講習をその選任の日前2年以内に修了しているなど、法律の3つの要件のどれかに当たる必要がある。令和7年4月以降に届け出た事業者には猶予が無く、届出の後、事業を始める前までに速やかに選任する。選任した後は、選任の日から2年ごとに定期講習を受けさせる。
| 立場 | いつまでに |
|---|---|
| 既存の事業者 令和7年3月31日 以前に経営届出 | 選任は |
| 新しく始めた・始める事業者 令和7年4月以降に 経営届出 | 届出の後、 |
| 講習 | 選任の日前2年以内に修了 |
| 定期講習 | 選任の 運行管理者に |
出典: ナスバ「貨物軽自動車安全管理者講習」、国土交通省「よくある質問とその回答 貨物軽自動車運送事業者に対する令和6年法令改正に伴う安全対策強化」、貨物自動車運送事業法の第36条の2と輸送安全規則の第33条の3。表の欄は編集部の要約
既存の事業者の猶予は、改正法の附則に書かれている。附則の第4条は、法律の施行の際に現に貨物軽自動車運送事業を経営している者について、選任の義務を「当該施行の日から起算して二年を経過する日までの間は、この限りでない」と読み替えると定めた。ナスバは講習のページで「令和7年3月31日以前に事業の届出を行った既存事業者については、猶予期間があり、貨物軽自動車安全管理者の選任が令和9年3月31日まで猶予されています」と案内している。
講習を受ける時期には、前と後ろの両方に線がある。第36条の2第1項第1号は、選べる人を、講習を「選任の日前二年以内に修了した者」としている。このため、既存の事業者が令和9年3月31日の期限に向けて早めに講習を受けた場合も、修了から2年以内に選任すれば要件に当たり、修了から2年を過ぎて選任すると第1号には当たらなくなる〈推論〉。定期講習(貨物軽自動車安全管理者定期講習)の周期は、法律が「選任の日から二年以内において国土交通省令で定める期間ごと」とし、輸送安全規則の第33条の3が2年と定めた。
1人の個人事業主も貨物軽自動車安全管理者が要る?(誰を選任するか・自分は当たるか)
黒ナンバーの軽自動車(四輪以上・バイク便を除く)で貨物を運ぶ事業者は、1人で事業をしている個人事業主も選任の対象に当たり、基本的には自分自身を、ほかに配偶者などの家族従業者を選任できる。国土交通省のFAQは「一人で事業を行っている場合では、基本的にご自身を貨物軽自動車安全管理者として選任する必要があります。ただし、配偶者等、家族従業者から選任することも可能です。」と書いている。
選任が要るのは、次の2つをすべて満たす事業者である。
- 貨物軽自動車運送事業の経営届出をしている(黒ナンバーの事業者)
- 四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送している(三輪の軽自動車や二輪の自動車を用いるバイク便は除く)
法律の第36条の2第1項は、営業所ごとに「次の各号のいずれかに該当する者のうちから、貨物軽自動車安全管理者一人を選任しなければならない。」と定めている。選べる人は、①講習を選任の日前2年以内に修了した人、②講習を修了し、かつ、定期講習を選任の日前2年以内に修了した人、③その事業者が一般貨物自動車運送事業か特定貨物自動車運送事業を経営する場合に、運行管理者として選任されている人の3つで、どれか1つに当たればよい。
| 立場 | 安全管理者の選任 |
|---|---|
| 黒ナンバーの軽で 1人で事業をする 個人事業主 | 要る。 |
| 営業所が 2つ以上 | 営業所ごとに1人。 |
| 緑ナンバーの 一般貨物も経営 | 運行管理者に |
| 運行管理者 資格者証を 持っているだけ | それだけでは |
| バイク便 三輪の軽自動車や 二輪の自動車 | 選任の義務は |
出典: 貨物自動車運送事業法の第36条の2、国土交通省「よくある質問とその回答 貨物軽自動車運送事業者に対する令和6年法令改正に伴う安全対策強化」、国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」。表の欄は編集部の要約
国土交通省のFAQによると、道路交通法の安全運転管理者が安全管理者を兼ねることは妨げられていないが、その場合も安全管理者として選任して運輸支局等に届け出る必要がある。営業所ごとに複数の人を選任することもできる。
貨物軽自動車安全管理者講習はどこで受ける?(オンライン・会場・費用)
講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受け、eラーニングと対面の機関があり、費用は各講習機関に問い合わせることになっており、ナスバのeラーニングは5時間・3,700円である。国土交通省のFAQは、受講の方法と費用は各講習機関に問い合わせるよう案内している。手順は次の順になる。
- 国土交通省の「登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」から、eラーニングか対面か、会場の地域で講習機関を選ぶ
- 講習機関に申し込み、受講の方法と費用を確かめる(国土交通省のFAQは、どちらも各講習機関に問い合わせるよう案内している)
- 講習を受ける。講習は法令・運行管理の業務・事故防止・修了試問と補習からなり、最初の講習は5時間以上、定期講習は2時間以上
- 修了すると貨物軽自動車安全管理者講習修了証明書が交付されるので保存し、選任の届出に写しを付ける
| 講習の実施方式 | 機関の数 |
|---|---|
| eラーニング | 6機関 |
| eラーニングと対面の両方 | 2機関 |
| 対面 | 13機関 |
| 合計 | 21機関 |
出典: 国土交通省「登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」(2026年11月7日に確認)。編集部が「講習の実施方式」の欄を数えた。登録年月日は令和6年12月12日〜令和8年10月23日
ナスバは令和7年2月1日から講習を開講しており、「お手元のカメラ付きパソコン・タブレット、スマートフォンから受講期間内であればいつでも任意の場所・時間で受講いただけます。」と案内している。一覧の対面講習の案内には、北海道・東北、関東、中部、近畿、九州と全国複数地域の見出しがあり、自動車教習所などの機関が並んでいる。ナスバ以外の機関の料金は、編集部では確認できていない(2026年11月7日時点)。
貨物軽自動車安全管理者選任届出書は、いつ・どこに出す?
安全管理者を選任したら遅滞なく、営業所を置く都道府県の運輸支局等に届出書を出し、講習の修了証明書の写しを付ける手順になる。法律の第36条の2第2項は、選任したときに遅滞なくその氏名を国土交通大臣に届け出ることを求め、「これを解任したときも、同様とする。」としている。国土交通省は届出書の様式例を「貨物軽自動車安全管理者 選任・変更・解任 届出書」の題で公開しており、検索で探される貨物軽自動車安全管理者選任届出書は、この様式の選任の欄にあたる〈推論〉。
- 国土交通省のページから様式例(Excel)を取り、営業所を管轄する運輸支局に別の様式の指定が無いか確かめる
- 届出者の氏名・住所、営業所の名称と所在地、選任する人の氏名・生年月日・選任年月日、選任の要件、講習機関名・修了年月日・講習修了番号、兼職の有無を書く
- 講習の修了証明書の写し(定期講習を修了した人は、定期講習の修了証明書の写しも)を付ける
- 営業所を置く都道府県の運輸支局等に、郵送・窓口、またはe-Govのオンライン申請(自動車運送事業関連手続き)で出す。安全管理者の届出のオンライン申請は令和7年9月から使える(九州運輸局・国土交通省の対象手続一覧)
| 届出書の欄 | 書くこと |
|---|---|
| 届出者 | 氏名・名称、 |
| 営業所 | 名称・所在地・ |
| 選任する 安全管理者 | 氏名・生年月日・ |
| 解任する 安全管理者 | 氏名・生年月日・ |
出典: 国土交通省「貨物軽自動車安全管理者の選任・変更・解任届出様式例」、輸送安全規則の第33条の2、国土交通省 九州運輸局「貨物軽自動車安全管理者について」、国土交通省「e-Govオンライン申請の利用対象となる手続一覧(自動車運送事業関連手続)」。表の欄は編集部の要約
出し方について、国土交通省のFAQは「現時点では、郵送や直接運輸支局等に直接出向いていただいていますが、令和7年度中に電子届出ができるよう対応を進めているところです。」と書いている。この回答は、令和7年12月更新の回答を含む版のFAQにも、そのまま残っている(2026年11月7日に編集部が確認)。一方で九州運輸局は、「貨物軽自動車安全管理者について」のページ(2025年8月12日更新)で「安全管理者の届出については令和7年9月よりオンライン手続きをご利用できます」と案内し、国土交通省の対象手続一覧(令和8年3月13日更新)は、運行管理者・補助者、安全管理者の選任・変更・解任の届出(貨物軽を含む)の電子申請利用開始予定日を令和7年9月1日としている。一覧には、開始予定日は変更の可能性があるとの注記がある。国土交通省のページは、様式例について「提出先の運輸支局から別途様式の指定があった際にはその指示に従ってください」と注意している。兼職の欄には、運行管理者や整備管理者などを書く。
講習を受けないと、どうなる?(選任しないと100万円以下の罰金・行政処分の基準)
講習を修了した人などを安全管理者に選任しないまま猶予の期限を過ぎると、法律の第75条の100万円以下の罰金と、国土交通省の行政処分の基準の対象に当たる。選任や解任の届出をしないこと、虚偽の届出をすることも、同じ条の罰金の対象になる。
| 違反 | 罰則(法律)と 処分の基準 (初違反→再違反) |
|---|---|
| 安全管理者を 選任しない | 100万円以下の罰金 処分の基準:選任なしは |
| 選任・解任の 届出をしない | 100万円以下の罰金 処分の基準:初違反は |
| 虚偽の届出 | 100万円以下の罰金 処分の基準:初違反は |
| 定期講習などの 講習受講義務違反 | 法律の罰則は、 処分の基準:初違反は |
出典: 貨物自動車運送事業法の第75条、国土交通省「【別表】(貨物)違反事項ごとの行政処分等の基準」「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」(どちらも令和7年2月改正、4月施行)、国土交通省「よくある質問とその回答 貨物軽自動車運送事業者に対する令和6年法令改正に伴う安全対策強化」
第75条は、次の各号のいずれかに該当する場合として、第6号で第36条の2第1項(選任の義務)に違反したとき、第7号で第36条の2第2項の届出をせず、又は虚偽の届出をしたときを挙げ、違反行為をした者を「百万円以下の罰金に処する。」と定めている。国土交通省のFAQも、規制の強化に係る罰則として、この2つと、重大な事故の報告をしない・虚偽の報告をした場合の50万円以下の過料を挙げている。
行政処分の基準の別表は、選任なしを「局長通達5(1)⑤による」とし、通達の5(1)⑤は事業停止処分を行う場合の号である。通達の8は、この号を貨物軽自動車運送事業者に準用し、「法第16条第1項の規定に違反して、運行管理者」が全く不在の場合という文を、法第36条の2第1項に違反して貨物軽自動車安全管理者が全く不在(選任なし)の場合と読み替えている。選任なしのときの事業停止の期間を通達の8の準用でどう数えるかは、編集部では確認できていない(2026年11月7日に通達の4・5・8と別表を確認した範囲)。日車は使用停止にする車の台数と日数の掛け算で、通達の8は、貨物軽自動車運送事業者の処分の台数と期間の配分を処分権者が決めるとしている。そのため、1台だけの事業者に10日車が付くと、その1台が10日間使えなくなる計算になる〈推論〉。
令和7年4月から増えたほかの義務、自分は当たる?(業務記録・事故の記録と報告・適性診断)
黒ナンバーの軽貨物の事業者には、安全管理者のほかに業務の記録・事故の記録・国への事故報告・初任運転者などへの特別な指導と適性診断・運転者等台帳が加わり(バイク便に当たる義務は事故の記録と事故報告)、1人で事業をしている場合も対象に当たる。国土交通省のリーフレットは、「一人で事業を行っている場合でも、自ら安全対策を実施する必要があります。」と書いている。
| 義務 | 中身 | バイク便 |
|---|---|---|
| 業務の記録 | 運転者等の | 除く |
| 事故の記録 | 事故の日時・ | 当たる |
| 国への 事故報告 | 死傷者を | 当たる |
| 特別な指導と 適性診断 | 初任運転者・ | 除く |
| 運転者等台帳 | 運転者の氏名・ | 除く |
出典: 国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」、国土交通省 報道発表「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正を行いました」(令和6年10月1日)、国土交通省「よくある質問とその回答 貨物軽自動車運送事業者に対する令和6年法令改正に伴う安全対策強化」。表の欄は編集部の要約
特別な指導と適性診断について、リーフレットは、令和7年3月末までに経営届出をした事業者は令和10年3月までに実施し、令和7年4月以降に届け出た事業者には猶予期間が無いと説明する。国土交通省のFAQは、1人で事業をしている場合は自らにおいて指導すべき内容を理解する必要があり、民間の研修機関など外部の専門機関の活用も有効だとしている。リーフレットによると、記録と保存はパソコンやスマートフォンでもできる。
軽貨物をやめる・車を売るときは?(廃止の届出・黒ナンバー・安全管理者の解任)
軽貨物をやめるときは、法律の第36条第3項により、事業を廃止したら遅滞なく国土交通大臣に廃止を届け出るのが最初の手順になる。届出の書類と流れについて、東京運輸支局のハンドブックは、事業廃止のときに経営変更等届出書(もしくは廃止届出書)と事業用自動車等連絡書を出し、運輸支局で連絡書の発行を受けた後に軽自動車検査協会での手続きが要るとし、岐阜運輸支局のよくあるお問い合わせも、車両数が0両になる場合は事業廃止になるとして同じ流れを案内している。2つの運輸支局の案内に沿うと、手順は次のとおりになる。
- 営業所を管轄する運輸支局(輸送担当)に、貨物軽自動車運送事業経営変更等届出書(廃止届)か廃止届出書を出す
- 事業用自動車等連絡書(正・控の2部)を出し、運輸支局で連絡書の発行を受ける
- 車検証と連絡書などを持って、軽自動車検査協会で車検証の記載変更などの手続きをする
出典: 貨物自動車運送事業法の第36条、国土交通省 関東運輸局 東京運輸支局「貨物軽自動車運送事業者ハンドブック」、国土交通省 中部運輸局 岐阜運輸支局「軽貨物事業(黒ナンバー)に関するよくあるお問い合わせ」
岐阜運輸支局の案内は、事業用(黒ナンバー)から自家用(黄色ナンバー)になる場合、現在の使用者の営業所を管轄する運輸支局で連絡書の交付を受けた後、新たな使用者の使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会で車検証の記載変更等の手続きを行い、黄色ナンバーの交付を受けるとしている。名義変更でナンバーの色が変わる場合も、運輸支局への届出が必要になると書いている。黒ナンバーの車を売るときは、売る前に廃止か減車の届出と軽自動車検査協会の手続きをどちらが行うかを、買い手と確かめておくと手戻りが少ない〈推論〉。
四国運輸局のよくある質問は、車両数が0両になる場合は廃止届出が要るとし、「貨物軽自動車運送事業には、制度上『事業の休止』はありません。」と書いている。再開するときは改めて経営届出を出す。国土交通省のFAQは、令和7年3月に廃止届を出した人が令和7年4月以降に経営届出をし直した場合を、新しく届け出る事業者として扱い、事業を始める前までに速やかに安全管理者を選任するとしている。いったんやめて、後で黒ナンバーに戻る場合も、新しい届出として選任が先に要ると考えるのが安全である〈推論〉。
安全管理者の解任は、第36条の2第2項により届出が要る。事業の廃止の届出とは別に解任の届出書を出すかどうかは、編集部が確認した法令・国土交通省のFAQ・東京運輸支局のハンドブック・岐阜運輸支局のよくあるお問い合わせ・四国運輸局のよくある質問には書かれておらず、廃止を届け出るときに運輸支局で確かめるのが確実である。
最新の動き(講習機関は21機関・定期講習の機関は一覧に無し・届出のオンライン申請は令和7年9月から)
国土交通省の登録講習機関の一覧(2026年11月7日に確認)には21機関が載り、令和8年10月21日と23日に4機関が加わったが、定期講習(貨物軽自動車安全管理者定期講習)の機関として登録された機関は、この一覧には載っていない。一覧の機関は、どれも登録を受けている講習の名称が「貨物軽自動車安全管理者講習」である。定期講習の機関の別の一覧が国土交通省のサイトにあるかは、編集部では開いていない(2026年11月7日時点)。選任の義務は令和7年4月から始まったため、最初の定期講習の期限は早くて令和9年の春に来る計算になり、それまでに定期講習の機関の登録が進むとみられる〈推論〉。
届出のオンライン申請は始まっている。九州運輸局は「貨物軽自動車安全管理者について」のページ(2025年8月12日更新)で「安全管理者の届出については令和7年9月よりオンライン手続きをご利用できます」と案内し、国土交通省は令和7年11月25日の報道発表で、自動車運送事業関連の手続きについて「令和7年9月から、一部の手続き(16手続き)について先行してオンライン申請の運用を開始している」とし、令和7年12月1日から本格的な運用を始めると発表した。国土交通省の対象手続一覧(令和8年3月13日更新)には、運行管理者・補助者、安全管理者の選任・変更・解任の届出(貨物軽を含む)の行があり、電子申請利用開始予定日は令和7年9月1日である。この一覧で開始予定日が令和7年9月1日の行は16行で、報道発表が先行して運用を始めたとする手続きの数(16手続き)と一致する(編集部が一覧を数えた)。一覧には、開始予定日は変更の可能性があるとの注記がある。e-Govの申請画面の実際の手順と、九州運輸局以外の運輸局・運輸支局が届出のオンライン申請をどう案内しているかは、編集部では開いていない(2026年11月7日時点)。既存の事業者の選任の期限である令和9年3月31日まで、2026年11月7日の時点で5か月を切っている。編集部は、定期講習の機関の登録や届出の手続きの案内が変わった時点でこの記事を更新する。
出典: 国土交通省「登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」(2026年11月7日に確認)、国土交通省 九州運輸局「貨物軽自動車安全管理者について」、国土交通省 報道発表「自動車運送事業関連手続きのオンライン申請の本格運用を開始します」(令和7年11月25日)、国土交通省「e-Govオンライン申請の利用対象となる手続一覧(自動車運送事業関連手続)」
まとめ
- 黒ナンバーの軽貨物の事業者(貨物軽自動車運送事業者・バイク便を除く)は、営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者を1人選任する。
- 令和7年3月31日以前に経営届出をした既存の事業者は令和9年3月31日まで選任が猶予され、令和7年4月以降に届け出た事業者は、事業を始める前までに速やかに選任する。
- 選べるのは、登録講習機関の講習を選任の日前2年以内に修了した人などで、選任の後は2年ごとに定期講習を受けさせる(一般貨物自動車運送事業などの運行管理者として選任されている人を除く)。
- 1人で事業をしている個人事業主も選任が要り、基本的には自分自身を、ほかに配偶者などの家族従業者を選べる。
- 選任しない・選任や解任の届出をしない・虚偽の届出をした場合は、貨物自動車運送事業法の第75条で100万円以下の罰金の対象になり、国の行政処分の基準にも行がある。
- 軽貨物をやめるときは、法律により遅滞なく廃止を届け出る。東京運輸支局と岐阜運輸支局の案内では、運輸支局で廃止の届出書を出して事業用自動車等連絡書を受け取り、軽自動車検査協会で車検証の記載変更などの手続きをする。
よくある質問
安全管理者講習はオンラインで受けられる?
eラーニングで受けられる講習機関があります。国土交通省の登録講習機関の一覧(2026年11月7日に確認)では、21機関のうち6機関がeラーニング、2機関がeラーニングと対面の両方、13機関が対面で講習をしています。ナスバのeラーニングは、カメラ付きのパソコン・タブレット・スマートフォンから受講期間内に受けられ、AIによる本人認証などの不正受講防止対策をしていると案内しています。
講習の費用はいくら?
講習の費用は、国土交通省のFAQが受講費用は各講習機関に問い合わせるよう案内しており、機関ごとに確かめます。ナスバの貨物軽自動車安全管理者講習は、講習時間が5時間、手数料が3,700円です。ナスバ以外の機関の料金は、編集部では確認できていません(2026年11月7日時点)。
運行管理者の資格者証があれば講習は要らない?
運行管理者資格者証を持っているだけでは、貨物軽自動車安全管理者に選任できません。講習を受けずに選任できる人は、その事業者が一般貨物自動車運送事業か特定貨物自動車運送事業を経営する場合に、その運行管理者として選任されている人です。この場合は定期講習も要りませんが、運行管理者でなくなったときは、選任された日から2年ごとに定期講習を受けることになると国土交通省のFAQは書いています。
講習を受けてから選任まで間があいてもよい?
講習を修了してから選任するまでの期間は、2年以内である必要があります。貨物自動車運送事業法の第36条の2は、選べる人の1つを、講習を選任の日前2年以内に修了した人としています。既存の事業者が選任の期限(令和9年3月31日)より早く講習を受ける場合も、修了から2年以内に選任すれば、この要件に当たる計算になります〈推論〉。
家族を安全管理者にできる?
1人で事業をしている場合、国土交通省のFAQは、基本的に自分自身を選任する必要があるとし、配偶者などの家族従業者から選任することもできるとしています。選ぶ家族も、講習を選任の日前2年以内に修了しているなど、法律の要件に当たる必要があります。安全管理者は、ほかの営業所の安全管理者を兼ねることはできません。
軽貨物をやめたら、安全管理者の届出はどうなる?
事業をやめたときは、貨物自動車運送事業法の第36条第3項により、遅滞なく廃止を届け出ます。安全管理者を解任したときも、第36条の2第2項により届出が要ります。廃止の届出と別に解任の届出書を出すかどうかは、編集部が確認した法令・国土交通省のFAQ・東京運輸支局のハンドブック・岐阜運輸支局のよくあるお問い合わせ・四国運輸局のよくある質問には書かれておらず、営業所を管轄する運輸支局に確かめるのが確実です。
商用バン・軽トラを手放すなら
売り方を1分で診断
車種・年式・状態・急ぎかどうかなどの質問に答えると、向いている売り方と、その車の買取相場の目安がその場で出ます。
- 料金
- 無料
- 質問
- 車の種類に合わせて出る(トラックなら13問)
- 結果
- 売り方・相場の目安・申し込み先の候補
実際の結果画面

関連するニュース
出典と参考資料
- 国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000172.html
- 国土交通省 報道発表「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正を行いました」(令和6年10月1日) https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000665.html
- 国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」(解説リーフレット・PDF) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001986070.pdf
- 国土交通省「よくある質問とその回答 貨物軽自動車運送事業者に対する令和6年法令改正に伴う安全対策強化」(FAQ・docx) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001841732.docx
- 国土交通省「登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」(2026年11月7日に確認) https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000173.html
- 国土交通省「貨物軽自動車安全管理者の選任・変更・解任届出様式例」(xlsx) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001768380.xlsx
- e-Gov 法令検索「貨物自動車運送事業法」(平成元年法律第八十三号)第36条・第36条の2・第75条・附則(令和6年5月15日法律第23号)第4条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083
- e-Gov 法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」(平成二年運輸省令第二十二号)第33条の2・第33条の3 https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800022
- 国土交通省「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」(令和7年2月改正、4月施行・PDF) https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03punishment/data/transmittal_k107.pdf
- 国土交通省「【別表】(貨物)違反事項ごとの行政処分等の基準」(令和7年2月改正、4月施行・PDF) https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03punishment/data/transmittal_k110.pdf
- 独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)「貨物軽自動車安全管理者講習」 https://www.nasva.go.jp/fusegu/kamotsu_kousyu.html
- 独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)「講習の概要」 https://www.nasva.go.jp/fusegu/shidougaiyou.html
- 国土交通省 四国運輸局「よくある質問」(PDF) https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000347612.pdf
- 国土交通省 関東運輸局 東京運輸支局「貨物軽自動車運送事業者ハンドブック」(PDF) https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/s_tokyo/date/kei_guide.pdf
- 国土交通省 中部運輸局 岐阜運輸支局「軽貨物事業(黒ナンバー)に関するよくあるお問い合わせ」(PDF) https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/truck/keikamotsu/gifu/keikamotsu_toiawase.pdf
- 国土交通省 九州運輸局「貨物軽自動車安全管理者について」(2025年8月12日更新・2026年11月7日に確認) https://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/car/file04b_00001.htm
- 国土交通省 報道発表「自動車運送事業関連手続きのオンライン申請の本格運用を開始します」(令和7年11月25日) https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000485.html
- 国土交通省「e-Govオンライン申請の利用対象となる手続一覧(自動車運送事業関連手続)」(xlsx・令和8年3月13日更新) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001901867.xlsx
- 国土交通省「自動車運送事業(バス、タクシー、トラック)・レンタカー・自家用有償に関するオンライン申請」(e-Gov オンライン申請の案内) https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000132.html
アイキャッチの画像: AIで生成したイメージです(実在の車両・現場の写真ではありません)


