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コマツ、PC200i-12にチルトローテータ装着可能車
チルトローテータとは・ベース機の仕様
コマツは2026年10月23日、機械質量20トンクラスの油圧ショベル「PC200i-12」をベースに、チルトローテータの装着に対応した「PC200i-12チルトローテータ装着可能車」を発売したと発表した。チルトローテータの主要メーカーであるRototilt社・Steelwrist社・Engcon社の3社と、装着の仕様と3Dマシンコントロール(3DMC)との連携のシステムを共同で開発し、操作を支える独自の機能を2つ加えた。価格と仕様は今回の発表に載っていない(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。この記事では、チルトローテータの仕組みと、ベースのPC200i-12の仕様、いまPC200iシリーズを持っている人が確かめることを整理する。
この記事のポイント
- 3社のチルトローテータに対応Rototilt社・Steelwrist社・Engcon社の製品を、従来機よりも容易に装着する仕様を共同で開発した。
- 3DMCを装着時にも使える姿勢をボタン一つで保つ機能と、バケットの操作に合わせてチルトとローテーションを自動で補正する機能を加えた。
- 価格と仕様は発表に無いベースのPC200i-12は、2024年の発表で機械質量20,700kg・公表価格31,500千円(3DMG標準 機械本体・工場裸渡し消費税抜き)とされていた。
マーカーを引いた文を節ごとに拾い読みするだけでも、要点が分かるように書いています。
コマツが10月23日に発表したこと(PC200i-12チルトローテータ装着可能車)
コマツは10月23日、チルトローテータの装着に対応した機械質量20トンクラスの油圧ショベル「PC200i-12チルトローテータ装着可能車」を発売したと発表した。ベースは、2024年12月に日本で発売したPC200i-12である。
- 2017.8.31PC200i-11を発表9月1日から発売とした
- 2024.12.1PC200i-12を発売フルモデルチェンジ
- 2026.10.23チルトローテータ装着可能車を発表発表の本文は「発売しました」
「本機種は、2024年12月より日本、その後欧米や豪州に導入しているコマツ初のSDV(*1)油圧ショベル「PC200i-12」(*2)をベースに、チルトローテータの装着に対応するとともに、コマツ独自の3Dマシンコントロール(以下、3DMC)をチルトローテータ装着時にも利用できるよう開発したものです。」コマツ ニュースルーム(2026年10月23日)。*1はSDVの説明、*2は2024年11月27日の発表へのリンク
| 発表・ 発売 | 2026年10月23日 |
|---|---|
| 機種 | PC200i-12 |
| ベースの 機種 | PC200i-12 |
| 2024年12月から | |
| 対応する 製品 | Rototilt社・ |
| 独自の 機能 | 姿勢保持機能、 |
| 価格・ 販売目標・ 仕様 | 今回の |
出典: コマツ「20トンクラス油圧ショベル「PC200i-12 チルトローテータ装着可能車」を発売」(2026年10月23日)。英語版の発表も同じ内容で、ベースのPC200i-12を2024年12月に日本、その後に欧州・北米・豪州へ導入したと書いている
今回の発表は、PC200i-12をチルトローテータの装着に対応させ、コマツの3Dマシンコントロール(3DMC)を装着時にも使えるようにした車の発売で、価格・販売目標・機械質量などの仕様は載っていない(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。発表の題には「主要3メーカーに対応、独自の3Dマシンコントロール機能を搭載」という副題が付く。発表は、チルトローテータへの関心が世界的に高まった背景として、建設現場の人手不足への対応や、施工の生産性・安全性の向上へのニーズを挙げた。
チルトローテータとは(チルトローテーター・4軸から6軸へ)
コマツの発表は、チルトローテータの仕組みと使われる工事を次のように説明している。検索では、長音を付けた「チルトローテーター」の表記も使われている(Googleの検索候補・2026年10月28日に編集部が確認)。
「チルトローテータは、油圧ショベルのアーム先端に取り付け、バケットなどのアタッチメントを左右に傾斜・360度回転させる装置です。道路・管工事や建築基礎工事、法面整形、障害物のある場所での整地など、さまざまな施工で活用されています。」コマツ ニュースルーム(2026年10月23日)
発表によると、チルトローテータを使うと、これまで車体を動かしたり向きを変えたりする必要があった作業でも、アタッチメントの角度や向きを変えて、車体の移動を少なく抑えながら広い範囲を施工できる。アタッチメントの交換もしやすくなるため、従来は着脱作業のために必要となることがあった補助作業者や専用車両を減らせるとしている。
| 通常の 油圧 ショベル | ブーム・アーム・ |
|---|---|
| チルト ローテータ 付き | 4軸に |
| 操作の 難しさ | コマツは |
出典: コマツ ニュースルーム(2026年10月23日)。表記は原文から一部整理
チルトローテータを付けると、通常の油圧ショベルの4軸にチルトとローテーションが加わり、6軸を組み合わせた操作が必要になるため、コマツは使いこなすには一定の習熟が求められると説明している。発表によれば、チルトローテータは特に欧州で普及が進んでおり、日本でも施工の省人化・効率化に向けた活用が期待される。
対応する3社と3Dマシンコントロールの連携(Rototilt・Steelwrist・Engcon)
コマツは、操作の複雑さを減らすために、チルトローテータの主要メーカーであるRototilt社・Steelwrist社・Engcon社と協業したと発表した。
「コマツは、主要チルトローテータメーカであるRototilt社、Steelwrist社、Engcon社と協業し、各社製品をPC200i-12へ従来機よりも容易に装着するための仕様や、各社のチルトローテータとコマツ独自の3DMCとの連携を可能にするシステムを共同で開発しました。」コマツ ニュースルーム(2026年10月23日)
さらにコマツは、チルトローテータに付けたセンサの情報をもとに、チルト・ローテーション・バケットの動きを自動で制御する独自の機能を2つ開発した。発表の注記は、2つの機能を次のように説明している。
| 姿勢保持 機能 | 作業機レバーの |
|---|---|
| 従来は | |
| 複合軸 バケット 操作 アシスト | 作業機レバーの |
| 従来は、 |
出典: コマツ ニュースルーム(2026年10月23日)の注記*3・*4。表記は原文から一部整理。機能の数は、英語版の発表の「two proprietary functions」で確かめた
コマツは、一般的なチルトローテータ向けの3DMCの機能に加えて、姿勢保持機能と複合軸バケット操作アシストの2つを独自に開発し、複雑な操作を機械の側で支えるとしている。コマツは今後も、ソフトウェアで機能や性能を更新できるSDVの特長を生かし、チルトローテータをはじめとする各種アタッチメントとICTの機能の連携を拡大していく方針だ。3社以外のチルトローテータへの対応は、今回の発表には書かれていない(2026年10月23日の発表)。
ベースのPC200i-12の主な仕様と公表価格(2024年11月の発表)
今回の発表は装着可能車の仕様を載せていないため、ここではベースのPC200i-12の仕様を、2024年11月27日の発表から載せる。チルトローテータを付けたときの機械質量などは、この表とは別になる可能性がある〈推論〉。
| 機械質量 | 20,700 kg |
|---|---|
| エンジン 定格出力 ネット | 129/2,000 kW/min⁻¹ |
| 標準 バケット 容量 | 0.80 m³ |
| 全長 (輸送時) | 9,560 mm |
| 全幅 | 2,820 mm |
| 全高 (輸送時) | 3,060 mm |
出典: コマツ「新世代油圧ショベルPC200i-12を新発売」(2024年11月27日)の【主な仕様】(画像の表。文字を読み取り、画像と照合した)。チルトローテータ装着可能車の仕様ではない
| 発売日 | 2024年12月1日 |
|---|---|
| 公表価格 | PC200i-12 |
| 販売目標 | 1,000台/年 |
| 3Dの 機能 | 3D |
| 3DMCは | |
| 従来機 との違い | 従来機に |
| 排出ガス | 特定 |
| 規制の |
出典: コマツ「新世代油圧ショベルPC200i-12を新発売」(2024年11月27日)。表記は原文から一部整理。発表は「ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、予告なしに変更される場合があります」と注記している
ベースのPC200i-12は、2024年11月の発表で、機械質量20,700kg、標準バケット容量0.80m³、3DMG標準の機械本体の公表価格31,500千円(工場裸渡し消費税抜き)とされていた。この価格は2024年に発表されたPC200i-12の機械本体の額で、装着可能車の価格ではない。装着可能車の価格は、2026年10月28日に編集部が確認した範囲では公表されていない。
2024年の発表の注記によると、3DMGは運転席のディスプレイに設計図面のデータと自機の位置や姿勢などを表示し、オペレーターが掘削の位置を判断できるようにする機能である。3DMCは、操作するときに機械の側が作業機の自動停止や図面に沿った操作を支え、操作の技量によらず図面どおりに施工できるようにする機能とされる。
機種名「PC200i-12」の見方(PC200i-11とPC200i-12の発表)
コマツは2017年8月31日の発表で、PC200i-11とPC200LCi-11を「ICT油圧ショベル」として9月1日から発売すると伝えていた。PC200i-12とPC200i-11の関係は、2024年と2017年のどちらの発表にも書かれていない。2024年11月27日の発表は、PC200i-12を次のように紹介している。
「土木分野の主力機種である機械質量20トンクラスの油圧ショベルをフルモデルチェンジし、3Dマシンガイダンス(以下、3DMG)※1を標準装備した新世代機PC200i-12として、12月1日より発売開始します。」コマツ ニュースルーム(2024年11月27日)
| PC200i-11 | 2017年8月31日の |
|---|---|
| 特定 | |
| PC200i-12 | 2024年12月1日発売 |
| 20トンクラスの | |
| PC200i-12 チルト ローテータ 装着可能車 | 2026年10月23日の |
| PC200i-12を |
出典: コマツ ニュースルーム(2017年8月31日・2024年11月27日・2026年10月23日)。発表の題は「ICT油圧ショベル「PC200i/PC200LCi-11」を新発売」
2024年の発表は、PC200i-12を20トンクラスの油圧ショベルの「フルモデルチェンジ」と書いており、機種名の末尾の「-11」から「-12」への変化は、この世代の切り替えにあたるとみられる〈推論〉。「PC200」の後ろの「i」は、ICT油圧ショベルとして発売されたPC200i-11と、3DMGを標準装備したPC200i-12の両方に付いている。ただし、機種名の各文字の意味を説明した資料は、編集部では確認できていない(2026年10月28日時点)。今回の装着可能車の名前は「PC200i-12」に「チルトローテータ装着可能車」を続けた形で、発表は別の機種名を示していない。
いまPC200iを持っている人・中古で探す人が確かめること
今回の発表は、新しく販売する装着可能車について書いたもので、すでに使われている機械への装着や機能の追加についての記載はない(2026年10月23日の発表)。手元の機械や、これから買う機械について確かめるときの手がかりを、発表の範囲でまとめる。
| PC200i-12 を持って いる人 | すでに |
|---|---|
| PC200i-12は | |
| PC200i-11 などを 持って いる人 | コマツは、 |
| 中古で 探す人 | 装着可能車の |
| 売り手や | |
| 3DMCの 利用 | PC200i-12は |
| 一括払いと | |
| 中古の | |
| 操作の 習熟 | チルトローテータを |
| オペレーターの |
出典: コマツ ニュースルーム(2026年10月23日・2024年11月27日)
すでに使われているPC200i-12やPC200i-11に、チルトローテータや今回の独自の機能を後から加えられるかは発表に書かれていないため、手元の機械については販売店で確かめる必要がある(2026年10月23日の発表)。中古で機械を探す人は、機種名に加えて、装着可能車かどうかと、付いているチルトローテータのメーカーを書面で確かめておくと、買った後の食い違いを避けやすい〈推論〉。
編集部の見方
コマツの発表から、これからの現場を考える
01
操作の難しさを機械の側で減らす
コマツは、チルトローテータの操作が6軸になり、使いこなすには一定の習熟が求められると書いた。そのうえで、姿勢保持機能ではブーム・アーム・旋回の3軸の操作だけで姿勢を保てるとしている。
編集部の見立てでは、6軸の操作を3軸まで減らす機能は、チルトローテータに慣れていないオペレーターが使い始めるときの負担を下げる狙いとみられる〈推論〉。実際にどこまで操作が楽になるかは、現場での使われ方を見ないと分からない。
02
欧州で広がる装置を国内の20トン機に
発表は、チルトローテータが特に欧州で普及が進んでおり、日本でも施工の省人化・効率化に向けた活用が期待されていると書いている。対応したのは、コマツが「主要チルトローテータメーカ」と呼ぶ3社の製品である。
編集部の見立てでは、土木の主力の20トンクラスで3社の製品に対応したことで、国内の現場がチルトローテータを試す選択肢が広がる〈推論〉。一方で、価格と仕様は公表されていないため、導入の判断には販売店の見積りが要る。
03
ソフトで更新できる機械の次の一手
コマツは、PC200i-12を「コマツ初のSDV」油圧ショベルと呼び、ソフトウェアで機能や性能を継続的に進化させるSDVの特長を生かして、アタッチメントとICTの機能の連携を広げていくと書いている。
編集部の見立てでは、チルトローテータとの連携は、SDVとして発売したPC200i-12に機能を足していく流れの1つにあたる〈推論〉。ただし、すでに使われているPC200i-12に今回の機能が配られるかは発表に書かれておらず、編集部では確認できていない(2026年10月28日時点)。
出典: コマツ ニュースルーム(2026年10月23日・2024年11月27日)。〈推論〉と「編集部の見立て」は編集部の考察で、コマツの発表ではない
まとめ
- コマツは2026年10月23日、PC200i-12をベースにした「PC200i-12チルトローテータ装着可能車」を発売したと発表した。
- Rototilt社・Steelwrist社・Engcon社の3社の製品を、従来機よりも容易に装着する仕様と、3DMCと連携させるシステムを共同で開発した。
- チルトローテータを付けると操作は6軸になり、コマツは姿勢保持機能と複合軸バケット操作アシストで操作を支える。
- 装着可能車の価格・販売目標・仕様は、今回の発表に載っていない(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。
- ベースのPC200i-12は2024年12月1日に発売され、機械質量は20,700kg、標準バケット容量は0.80立方メートルとされている。
- すでに使われているPC200i-12やPC200i-11への装着・機能の追加は発表に書かれておらず、販売店で確かめる必要がある。
よくある質問
チルトローテータとは何ですか?
油圧ショベルのアームの先端に取り付けて、バケットなどのアタッチメントを左右に傾けたり、360度回したりする装置です。アタッチメントの角度や向きを変えることで、車体の移動を最小限に抑えながら幅広い範囲で施工でき、道路・管工事や建築基礎工事、法面整形、障害物のある場所での整地など、さまざまな施工で使われています。コマツの2026年10月23日の発表が、こうした仕組みと使われ方を説明しています。
チルトローテータ装着可能車の価格は?
2026年10月23日の発表には、装着可能車の価格と販売目標は載っていません(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。ベースのPC200i-12は、2024年11月27日の発表で、3DMG標準の機械本体の公表価格が31,500千円(工場裸渡し消費税抜き)とされていました。対応するチルトローテータはRototilt社・Steelwrist社・Engcon社の製品で、チルトローテータ本体が装着可能車の価格に含まれるかは発表に書かれていないため、費用は販売店で確かめる必要があります。
どのメーカーのチルトローテータに対応していますか?
Rototilt社、Steelwrist社、Engcon社の3社の製品です。コマツは3社と協業し、各社の製品をPC200i-12に従来機よりも容易に装着するための仕様と、各社の製品をコマツの3Dマシンコントロールと連携させるシステムを共同で開発したと発表しています。3社以外の製品の扱いは、発表には書かれていません(2026年10月23日の発表)。
すでに持っているPC200i-12にも付けられますか?
発表は「チルトローテータ装着可能車」の発売を伝えるもので、すでに使われているPC200i-12やPC200i-11への装着や、新しい機能を後から使えるかどうかの記載はありません(2026年10月23日の発表)。PC200i-12はソフトウェアの更新で機能を更新できる車両(SDV)とされていますが、今回の機能が既存の機械に配られるとは書かれていません。手元の機械については、コマツの販売店で確かめてください。
3Dマシンコントロール(3DMC)とは?
オペレーターが操作するときに、設計図面のデータに沿って掘削できるよう、機械の側が作業機を自動で止めたり、図面に沿った操作を支えたりする機能です。コマツの2024年11月27日の発表では、PC200i-12は3Dマシンガイダンス(3DMG)を標準装備し、3DMCの利用プランの切り替えをソフトウェアで対応可能としています。3DMCの利用には、一括払いと利用時支払いのプランが用意されています。
チルトローテータの操作は難しいですか?
チルトローテータを付けると、ブーム・アーム・バケット・旋回の4軸にチルトとローテーションが加わり、6軸を組み合わせた操作になるため、コマツは「一定の習熟が求められます」と書いています。そこでコマツは、アタッチメントの姿勢をボタン一つで保つ姿勢保持機能と、1つのスライダーでチルトとローテーションを自動で動かす複合軸バケット操作アシストを開発しました。姿勢保持機能を使うと、ブーム・アーム・旋回の3軸の操作だけで姿勢を保てるとされています。
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出典と参考資料
- コマツ「20トンクラス油圧ショベル「PC200i-12 チルトローテータ装着可能車」を発売」2026年10月23日 https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2026/20261023
- Komatsu「Komatsu launches tiltrotator-ready PC200i-12 hydraulic excavator in the 20-ton class」Oct. 23, 2026 https://www.komatsu.jp/en/newsroom/2026/20261023
- コマツ「新世代油圧ショベルPC200i-12を新発売」2024年11月27日 https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2024/20241127
- コマツ「ICT油圧ショベル「PC200i/PC200LCi-11」を新発売」2017年8月31日 https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2017/20170831_2
アイキャッチの画像: AIで生成したイメージです(実在の車両・現場の写真ではありません)
訂正・追記
- 「コマツが10月23日に発表したこと」の節に、PC200i-11・PC200i-12・今回の発表の年表を追加しました。


