最適な買取査定・売却先がわかる総合専門サイト売り方診断

運送・物流 公開 更新

埼玉県トラック協会、ダンプトラック部会の設立へ
白トラ規制・自家用ダンプの扱いと荷主の罰則

文:働く車買取ナビ編集部

埼玉県トラック協会は2026年10月23日、ダンプトラック部会の設立に向けた説明会の資料をホームページに掲載し、10月26日に更新した。説明会は10月27日午後2時から埼玉県トラック総合会館で開かれる予定だった(協会の案内による)。資料は、部会を設ける背景として、2026年4月から違法な「白トラ」を利用した荷主等への規制が強まったことを挙げ、設立総会は2027年3月上旬に予定している。この記事では、部会の日程と活動の案に加えて、背景にある白トラ規制を、貨物自動車運送事業法 第65条の2(委託の禁止)などの条文と、国土交通省の自家用ダンプカーの事務連絡(令和8年2月10日)から整理する。

この記事のポイント

  1. 設立総会は2027年3月上旬の予定11月30日に発起人会を開き、12月中に加入申込書を全会員へ送る。規約・役員・会費は設立総会で承認される予定である(日程の案の議題)。
  2. 白トラに委託すると100万円以下の罰金2026年4月1日に新設された貨物自動車運送事業法 第65条の2は、許可を受けずに経営する者などへの運送の委託を禁じ、違反は100万円以下の罰金の対象になる(第75条第14号)。
  3. 会社等が運ぶなら雇用関係が条件国の事務連絡は、自家用ダンプで許可なく運べる場合を示し、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるには、雇用関係にある従業員たる運転者に運ばせることが必要としている。判断は契約の形だけでなく実態も踏まえる。

マーカーを引いた文を節ごとに拾い読みするだけでも、要点が分かるように書いています。

何が公表されたのか

埼玉県トラック協会は10月23日、「ダンプトラック部会設立に関する説明会の資料について」と題したお知らせをホームページに掲載し、10月26日に更新した。お知らせには、10月27日に開かれる予定だった説明会(協会の案内による)の資料として、次第と4つの資料のPDFが載っている。次第・部会設立の概要等・事業(案)とスケジュール(案)の3点は、10月26日に作られた版である(PDF の作成日)。

日時2026年10月27日(火)午後2時から
場所埼玉県トラック総合会館6階 大会議室
説明の項目部会設立の概要等/全日本トラック協会のダンプトラック部会の活動/埼玉県トラック協会のダンプトラック部会の設立/部会の事業(案)と令和9年度の活動に関するスケジュール(案)/質疑応答

出典: 埼玉県トラック協会「ダンプトラック部会設立に関する説明会 次第」

  1. 2026.10.27設立に関する説明会
  2. 11.30発起人会活動内容・規約(案)・役員(案)・部会費(案)など
  3. 12月中加入申込書の送付全会員にFAXで案内
  4. 2027.3上旬設立総会活動内容・規約・役員・会費の承認
  5. 2027.4第1回役員会

出典: 埼玉県トラック協会「ダンプトラック部会事業(案)とスケジュール(案)」

資料によると、部会の設立総会は2027年3月上旬に開く予定で、活動内容・規約・役員・会費はこの総会で承認される予定である(日程の案の議題)。年会費は2万円を想定していると書かれており、令和9年度には役員会・通常総会・研修会・新春研修会を開くスケジュール(案)が示されている。説明会の資料で紹介された全日本トラック協会のダンプトラック部会(旧名称はダンプカー部会)は、資料によると昭和55年7月の設立で、部会員の欄には「32事業者」と「30協会 1,568事業者(令和8年5月現在)」の2つの数字が並んでいる。

設立の背景にある白トラ規制の強化

国土交通省によると、2026年4月1日から、許可や届出をせずに有償で貨物を運ぶ「白トラ」について、白トラを利用した荷主等も新たに処罰の対象になった。荷主等が違法な白トラに運送を委託している疑いがある場合は、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象にもなる。

「令和8年4月1日より、貨物自動車運送事業の許可の取得又は届出をすることなく有償で貨物を運送する、いわゆる「白トラ」行為については、白トラを利用した荷主等も新たに処罰の対象となります。」国土交通省「トラック適正化二法について」

処罰の根拠は、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(令和7年法律第60号)で新設され、2026年4月1日に施行された第65条の2である。

「何人も、次のいずれかに該当する者に貨物の運送(自動車を使用しないで貨物の運送を行わせることを内容とする契約によるものを除く。)を委託してはならない。」貨物自動車運送事業法 第65条の2
第1号第3条の規定に違反して一般貨物自動車運送事業を経営する者(許可を受けていない者)
第2号第35条第1項の規定に違反して特定貨物自動車運送事業を経営する者
第3号第36条第1項前段の規定に違反して貨物軽自動車運送事業を経営する者(届出をしていない者)
罰則第65条の2に違反して貨物の運送を委託したときは、100万円以下の罰金(第75条第14号)。法人の従業者などが業務に関して違反したときは、法人にも罰金刑(第80条)

出典: 貨物自動車運送事業法 第65条の2・第75条・第80条(e-Gov 法令 API・2026年10月28日取得。2026年1月1日施行の版には第65条の2と第75条第14号が無い)

2026年4月1日に新設された第65条の2は、「何人も」、許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営する者などに貨物の運送を委託してはならないと定めており、違反して委託した者は100万円以下の罰金の対象になる(第75条第14号)。協会の資料「部会設立の概要等について」は、この規制について、荷主に100万円以下の罰金が科せられ、元請け事業者も行政処分や社名公表の対象になったと説明する。元請け事業者への行政処分・社名公表をどの条に基づいて行うかは資料に書かれておらず、編集部では確認できていない(2026年10月28日)。貨物自動車運送事業法 第33条は、一般貨物自動車運送事業者がこの法律などに違反したとき(第1号)に、6か月以内の期間を定めた自動車などの使用の停止や事業の全部・一部の停止を命じ、または第3条の許可を取り消すことができると定めており、元請けが一般貨物自動車運送事業者で、第65条の2に違反して委託した場合は、これに当たりうる〈推論〉。資料はまた、令和7年の「白トラ」の摘発事例として、土砂の有償運送や名義貸しに関わる逮捕など3件を並べる。

協会の資料は、2026年4月からの「白ナンバー規制強化」によって、営業ナンバーのダンプトラックの需要が急増していると説明している。一方で国土交通省は、強化したのは白トラを利用した荷主等への規制で、違法な白トラを行う者に対する従前の取扱いを変えるものではないとしている。

「今般の改正は違法「白トラ」を行う者に対する従前の取扱いを変更するものではございませんが、特に個人事業主による自家用ダンプカーの利用が多い、建設現場等における混乱が生じないよう、自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いを明確化した」国土交通省「トラック適正化二法について」(※3)
「2026年4月より白ナンバー規制強化により、営業ナンバーのダンプトラック需要が急増している。」埼玉県トラック協会「ダンプトラック部会 設立について」(2026年10月27日)

資料は、部会を設ける理由として、土砂などを運ぶ大型の自動車の法規制に不合理な解釈が多く残り、営業ナンバーを取って適法に事業を営む事業者も困惑していることを挙げる。そのうえで、解釈を整理・明確化し、営業ナンバーを取得した事業者が適正な運賃を受け取るために、ダンプトラックの事業者が一致して取り組む場が必要だとしている。

白ナンバーの有償運送と運ぶ側の罰則

運ぶ側への罰則は、2026年4月の改正の前の版(2026年1月1日施行)にもある。貨物自動車運送事業法は、「他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。…)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のもの」を一般貨物自動車運送事業と定義し(第2条第2項)、経営には国土交通大臣の許可を求めている(第3条)。自家用自動車での有償の運送は、第78条各号に掲げる場合(災害のため緊急を要するときなど)を除いて、道路運送法でも禁じられている。

「自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。」道路運送法 第78条
許可を受けずに
経営
第3条の許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営したとき: 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金(併科あり)(貨物自動車運送事業法 第70条第1号)
名義貸し名義を他人に一般貨物自動車運送事業などのため利用させたとき: 同じ(同条第2号〜第5号)
自家用自動車の
有償運送
道路運送法 第78条に違反したとき: 1年以下の拘禁刑若しくは150万円以下の罰金(併科あり)(同法 第97条第1号)
自家用自動車の
使用の制限
許可を受けずに自家用自動車で貨物自動車運送事業を経営したときや、有償で自家用自動車を運送の用に供したとき(第78条各号の場合を除く): 国土交通大臣は、6月以内の期間を定めて自家用自動車の使用を制限・禁止できる(道路運送法 第81条第1項)
委託した側第65条の2に違反して委託したとき: 100万円以下の罰金(貨物自動車運送事業法 第75条第14号・2026年4月1日から)

出典: 貨物自動車運送事業法 第2条・第3条・第65条の2・第70条・第75条・第80条、道路運送法 第78条・第81条・第97条(e-Gov 法令 API・2026年10月28日取得)。表は条文の要約

白ナンバーのダンプで他人の需要に応じて有償で運ぶ側には、許可を受けずに経営した場合の3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金(貨物自動車運送事業法 第70条)と、自家用自動車の有償運送の1年以下の拘禁刑若しくは150万円以下の罰金(道路運送法 第97条)の定めがある。2026年4月の改正で加わったのは、その運送を委託した側への罰則である(第70条は2026年1月1日施行の版にもある)。協会の資料が摘発事例に挙げる名義貸しも、貨物自動車運送事業法 第70条の罰則の対象に挙がっている。

自家用ダンプで運べる場合(令和8年2月10日の事務連絡)

国土交通省は、建設現場などで個人事業主による自家用ダンプカーの利用が多いことを踏まえ、混乱が生じないよう、事務連絡「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」(令和8年2月10日・物流・自動車局 貨物流通事業課長)を建設業者団体などに出した。事務連絡は、建設現場等で使うダンプカーでも、①他人の需要に応じ、②有償で、③貨物の運送を事業として行う場合には法の許可が必要で、次の1の(1)か(2)に当たり、かつ2の要件を備えた場合には許可が不要になるとしている。

1(1)
自ら所有する
貨物
建設関連会社等が自ら所有する貨物を自ら運送する場合には、自社のニーズや発意に応じて運送が行われることが通常で、運送行為の対価も発生しないことから、①と②に該当しない。例: 土砂等販売業者が、販売するために購入した土砂等を、自社と雇用関係にある従業員に運搬させる場合
1(2)
生業に
付帯する運送
他者が所有する貨物でも、ⅰ)建設関連会社等の生業と密接不可分で、その業務に付帯して行われる運送であること、ⅱ)その生業を営む建設関連会社等が自ら運送行為を行うこと、ⅲ)名目の如何を問わず、運送行為の対価としての有償性がないこと、のいずれにも該当する場合。例: 建設工事を請け負った建設関連会社等が、その工事で発生する残土等を、自社と雇用関係にある従業員に運搬させる場合/土砂等販売を代行する個人事業主が、販売する土砂等を自ら運搬する場合
2
自ら運送を
行う要件
建設関連会社等と雇用関係にある従業員たる運転者(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む)に運送行為を行わせること

出典: 国土交通省 事務連絡「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」(令和8年2月10日)の記の1・2。表は原文の要約

説明会資料の1枚。「以下の場合には貨物自動車運送事業法の許可等は不要です。」として、①建設関連会社等が自ら所有する貨物を自ら運送する場合と、②建設関連会社等の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送行う場合を、具体例とともに説明している
説明会資料「建設現場等で使用される自家用ダンプカー その1」のうち、許可等が不要な場合を説明した部分出典: 「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いに関する説明会」(国土交通省)(PDFの4ページ)を働く車買取ナビ編集部が加工して作成

事務連絡が許可を不要とするのは、自ら所有する貨物を自ら運ぶ場合と、建設工事などの生業と密接不可分でその業務に付帯して自ら運び、名目を問わず運送の対価を受け取らない場合で、どちらも、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるには、雇用関係にある従業員(期間雇用や日雇いを含む)に運ばせることが必要とされる。事務連絡は、許可が不要となる場合でも、運転業務に主として従事する労働者には改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)が適用されることに留意するよう求めている。個別の事案で判断に迷う場合は、主たる事務所を管轄する地方運輸局等(埼玉県は関東運輸局 自動車交通部 貨物課)に問い合わせるよう案内がある。

一人親方の持ち込みダンプと雇用関係の判断基準

事務連絡は、雇用関係があるかどうかの判断について、次のように書いている。

「雇用関係があるか否かについては、契約等の形態のみならず、使用従属性等の実態も踏まえて判断されることとなる。」国土交通省 事務連絡(令和8年2月10日)
1建設関連会社等と運転者との間で労働契約が締結されているか
2運転者に対して労働条件通知書の交付がなされているか
3運転者に対する報酬が給与として支払われているか
4社会保険等の加入が必要な場合に、社会保険等の加入や支払い等の適切な措置が講じられているか
5運転者が持ち込む自家用ダンプカーを使用する場合、運転者と建設関連会社等との間で、当該車両の業務上使用契約書の締結等の適切な措置が講じられているか
6運転者が当該建設関連会社等の指揮命令下にあるか(など)

出典: 国土交通省 事務連絡(令和8年2月10日)の記の2「主な判断基準」。労働契約や労働条件通知書等の詳細は、最寄りの労働局・労働基準監督署に確認するよう書かれている

自家用ダンプカーを持つ一人親方(個人事業主)が建設会社の残土を運ぶ場合、事務連絡の整理に当てはめると、その建設会社と雇用関係にあり、労働契約・給与・社会保険・車両の業務上使用契約・指揮命令などの実態があるかどうかで、許可が要るかどうかが分かれる〈推論〉。国土交通省の説明資料(2026年3月)は、元請の建設会社Bから工事を受けた下請の建設会社Aが、持ち込みダンプの個人事業主と雇用関係を結び、工事で発生した残土を運ばせる形を、自家用ダンプカーの使用が認められる事例として図で示している。雇用関係が無いまま、一人親方に自分の白ナンバーのダンプで残土の運搬を有償で頼むと、頼んだ側が第65条の2の「委託」に当たりうる〈推論〉。

部会の6つの活動項目

協会の資料「ダンプトラック部会 設立について」は、部会で取り上げる活動を6つの項目に分けている。いずれも案の段階で、設立総会で承認される予定である。

01 知識の向上建設業許可と運送業許可の違い、白ナンバーと営業ナンバーで対応できる運搬業務の範囲、一人親方が従事できる業務と適正な契約形態、法令・許可制度の勉強会
02 運賃標準的運賃制度の理解の促進、運賃交渉に必要な資料や情報の共有、国・県・市の各団体へ理解を求める活動の継続
03 需給大きな工事で車両が足りなくなり、工事が終わると余る需給の山谷について、調整する仕組みを部会で検討する
04 労働時間改善基準告示や時間外労働の上限規制への対応、運転手の拘束時間・休息期間の管理、待機時間や荷役時間の削減
05 過積載過積載防止の勉強会、積載重量管理の徹底、荷主や積込事業者への協力要請、警察・国・県・市・荷主への働きかけ
06 地域貢献災害時の緊急輸送・復旧支援への協力、除雪や道路維持などへの協力、交通安全運動、環境対策、地域行事・清掃活動

出典: 埼玉県トラック協会「ダンプトラック部会 設立について」(2026年10月27日)の活動01〜06。表記は原文から一部整理

運賃の項目では、標準的運賃の理解を広げ、運賃交渉に使う資料や情報を共有し、国・県・市などに理解を求める活動を続けるとしている。過積載の項目では、白ナンバーの運用で受けていた過積載について、営業ナンバーとして根絶に向けた動きが必要だと書いている。知識の向上の項目に挙がる「白ナンバーと営業ナンバーで対応できる運搬業務の範囲」「一人親方が従事できる業務と適正な契約形態」は、国の事務連絡が整理した許可の要否と雇用関係の判断基準に重なる〈推論〉。

立場ごとに確かめること

ここまでの条文と事務連絡を、ダンプに関わる立場ごとに並べると次のようになる。

建設会社
元請・下請
自社の工事の残土を、雇用関係にある従業員が運び、運送の対価を受け取らない場合は許可が不要(事務連絡 記の1(2)・2)。許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営する者に運送を委託すると、第65条の2・第75条第14号(100万円以下の罰金)の対象になりうる〈推論〉
一人親方
白ナンバーの
ダンプの持ち主
他人の需要に応じて有償で運ぶ事業には第3条の許可が要る(第2条第2項)。許可なく経営すると第70条、自家用自動車の有償運送は道路運送法 第97条の罰則。建設関連会社等と雇用関係を結んで運ぶ場合は、事務連絡の判断基準(労働契約・給与・社会保険・車両の業務上使用契約・指揮命令など)で判断される。事務連絡は、記の1(2)の具体例に「土砂等販売を代行する個人事業主が、当該個人事業主の行う土砂等販売代行に付帯する業務として、販売する土砂等を当該個人事業主が運搬する場合」も挙げ、許可が不要と整理している
土砂等販売
業者など
生コン・合材・
砕石・砂利
自ら所有する貨物を、雇用関係にある従業員が自ら運ぶ場合は許可が不要(事務連絡 記の1(1))。簡易版は、自身の事業(セメント・生コン、合材、砕石、砂利等)に置き換えて確認するよう書いている
営業ナンバー
緑ナンバーの
ダンプ事業者
埼玉県トラック協会の会員には、12月中に部会の加入申込書がFAXで送られる予定(スケジュール(案))。協会の資料は、営業ナンバーは一の運行を144時間以内とする規制を受けると説明している
工事・資材の
発注者
荷主
運送を委託する相手が、一般貨物自動車運送事業の許可を受けているか(白ナンバーでないか)を確かめる。国土交通省は警察庁と連携し、荷主等向けのチラシで、委託先が適法に事業を営む運送事業者かを確認するよう呼びかけている

出典: 貨物自動車運送事業法・道路運送法(e-Gov 法令 API)、国土交通省 事務連絡(令和8年2月10日)・簡易版・チラシ、埼玉県トラック協会の説明会資料をもとに編集部が整理

自家用ダンプで運べるかどうかは、貨物の持ち主・生業に付帯する運送か・運送の対価の有無・運転者との雇用関係の4点で分かれ、許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営する者など(第65条の2の各号に挙がる者)に運送を委託した側は、2026年4月1日から罰金の対象になる。判断に迷う個別の事案は、主たる事務所を管轄する地方運輸局等に問い合わせるよう、事務連絡は案内している。

編集部の見方

協会の資料が挙げる課題を、国の制度と並べて読む

39%全国の営業ナンバー比率(平成24年)埼玉県トラック協会の資料
14%埼玉県の営業ナンバー比率(平成24年)同

01

営業ナンバーの比率の差

協会の資料は、平成24年の営業ナンバーの比率を全国39%・埼玉県14%と示し、営業ナンバーの不足が、白トラの有償利用が広がる理由と考えられるとする。比率が何に対する割合かは、2026年10月27日に編集部が確認した資料(10月26日更新)には書かれていない。

比率は平成24年の値で、資料もそれ以降のデータは無いとしているため、今の全国と埼玉県の差がどの程度かは、この資料からは分からない。

02

144時間の規制と応援のダンプ

資料は、営業ナンバーのトラックは一の運行を144時間(6日間)以内とする規制を受け、需要が集中する地域・現場への対応力で白ナンバーに劣ると説明している。東日本大震災のときは、所属の営業所に戻らず現地の拠点で休息を取れる特例が設けられ、全国からの応援のダンプカーを受け入れられた、と資料は振り返る。

協会は、ほかの都道府県からの応援に頼る現場で、144時間の規制を踏まえて需要の急増に対応する力を確保することを課題に挙げ、需給の山谷を調整する仕組みを部会で検討するとしている。白ナンバーには事業の許可に伴う運行管理や監査の枠組みが無く、需要のある地域・現場へ機動的に対応しやすいというのが、資料の見立てである。一方で、国の事務連絡は、許可が不要となる場合であっても、運転業務に主として従事する労働者には改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)が適用されることに留意するよう求めている。

03

今後の日程

部会の日程は、11月30日の発起人会、12月中の加入申込書の送付、2027年3月上旬の設立総会と続き、2027年4月に第1回役員会を開く予定である。

働く車買取ナビでは、設立総会(2027年3月上旬の予定)で規約と活動の内容が決まった時点で、続報を出す。

出典: 埼玉県トラック協会「部会設立の概要等について」「ダンプトラック部会 設立について」「ダンプトラック部会事業(案)とスケジュール(案)」、国土交通省 事務連絡(令和8年2月10日)

まとめ

  • 埼玉県トラック協会は10月23日、ダンプトラック部会の設立に向けた説明会の資料を掲載し、10月26日に更新した。説明会は10月27日に開かれる予定だった(協会の案内による)。
  • 協会の資料は、2026年4月から白トラを利用した荷主等への規制が強まり、営業ナンバーのダンプトラックの需要が急増していることを背景に挙げている。
  • 2026年4月1日に新設された貨物自動車運送事業法 第65条の2は、許可を受けずに経営する者などへの運送の委託を禁じ、違反は100万円以下の罰金の対象になる(第75条第14号)。
  • 国土交通省の事務連絡(令和8年2月10日)は、自家用ダンプカーで許可なく運べる場合を示し、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるには雇用関係にある従業員たる運転者に運ばせることが必要とし、雇用関係は実態も踏まえて判断されるとしている。
  • 部会は、営業ナンバーの知識・標準的運賃・需給への対応・労働時間・過積載・地域貢献の6つの活動項目を案として示している。日程は、11月30日の発起人会、12月中の加入申込書の送付、2027年3月上旬の設立総会の予定である。

よくある質問

ダンプトラック部会は、もう設立されたの?

まだ設立前です。埼玉県トラック協会の資料では、10月27日に説明会を開き、11月30日の発起人会、12月中の加入申込書の送付を経て、2027年3月上旬の設立総会で活動内容・規約・役員・会費を承認する予定になっています。年会費は2万円を想定していると書かれています。

「白トラ」とは何のこと?

貨物自動車運送事業の許可や届出をせずに、有償で貨物を運ぶ行為のことです。国土交通省は、こうした行為を「いわゆる「白トラ」行為」と呼んでいます。貨物自動車運送事業法は、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを一般貨物自動車運送事業と定義し(第2条第2項)、経営には国土交通大臣の許可を求めています(第3条)。

2026年4月から、何が変わったの?

2026年4月1日から、貨物自動車運送事業法 第65条の2で、許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営する者などに貨物の運送を委託することが禁じられました。違反して委託した者は100万円以下の罰金の対象になり(第75条第14号)、法人の従業者などが業務に関して違反したときは法人にも罰金刑が科されます(第80条)。荷主等が違法な白トラに運送を委託している疑いがある場合は、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象にもなります。

白ナンバーのダンプで運ぶ側の罰則は?

許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営すると、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金(併科あり)の対象です(貨物自動車運送事業法 第70条第1号)。自家用自動車を有償で運送の用に供することも、第78条各号に掲げる場合(災害のため緊急を要するときなど)を除いて道路運送法 第78条で禁じられ、違反は1年以下の拘禁刑若しくは150万円以下の罰金(併科あり)の対象です(同法 第97条第1号)。国土交通大臣は、6月以内の期間を定めて、その自家用自動車の使用を制限・禁止することもできます(同法 第81条第1項)。

自家用(白ナンバー)のダンプで土砂や残土を運んでもよい場合は?

国土交通省の事務連絡(令和8年2月10日)は、建設関連会社等が自ら所有する貨物を自ら運ぶ場合と、建設工事など生業と密接不可分でその業務に付帯する運送を自ら行い、名目を問わず運送の対価を受け取らない場合を、許可が要らない例に挙げています。どちらも、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるには、雇用関係にある従業員(期間雇用や日雇いを含む)に運ばせることが必要とされています。判断に迷うときは、主たる事務所を管轄する地方運輸局等に問い合わせるよう案内されています。

一人親方が自分の白ナンバーのダンプで運ぶのは違法?

他人の需要に応じて有償で運ぶ事業として行う場合は、一般貨物自動車運送事業の許可が要ります。事務連絡は、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるには、雇用関係にある従業員たる運転者に運ばせることが必要とし、運転者が持ち込む自家用ダンプカーを使う場合も含めて、労働契約・労働条件通知書・給与としての支払い・社会保険・車両の業務上使用契約・指揮命令などを主な判断基準に挙げています。雇用関係があるかは、契約の形だけでなく使用従属性などの実態も踏まえて判断されます。また事務連絡は、生業と密接不可分でその業務に付帯する運送の具体例に「土砂等販売を代行する個人事業主が、当該個人事業主の行う土砂等販売代行に付帯する業務として、販売する土砂等を当該個人事業主が運搬する場合」を挙げ、許可が不要となる場合に整理しています。

部会では、どんな活動をするの?

協会の資料は、営業ナンバーに関する知識の向上、標準的運賃の収受に向けた活動、需給変動への対応と安定供給、労働時間管理の勉強会、過積載の撲滅、地域貢献の6つを挙げています。知識の向上には、白ナンバーと営業ナンバーで対応できる運搬業務の範囲や、一人親方が従事できる業務と適正な契約形態の勉強が含まれています。いずれも案の段階で、設立総会で承認される予定です。

部会に入れるのは誰?

協会の資料は、12月中に全会員へFAXで加入の案内を送り、加入申込が届いた会員に設立総会の案内を送るとしています。会員以外の加入の扱いは、2026年10月28日に編集部が確認した資料(10月26日更新)には書かれていません。詳しい条件は、埼玉県トラック協会に確かめてください。

トラックを手放すなら
売り方を1分で診断

車種・年式・状態・急ぎかどうかなどの質問に答えると、向いている売り方と、その車の買取相場の目安がその場で出ます。

料金
無料
質問
車の種類に合わせて出る(トラックなら13問)
結果
売り方・相場の目安・申し込み先の候補
売り方を診断する 約1分

実際の結果画面

売り方診断の結果画面の例。トラック・いすゞ エルフ・2025年式・ダンプで答えると、向いている売り方と年式・走行距離ごとの買取相場の目安が出る
いすゞ エルフ・2025年式・〜5万km・ダンプなど13問に答えた場合の一例(2026年10月26日に撮影した画面。写真は省略)
編集部

働く車買取ナビ編集部

トラック・重機・商用車の買取相場と、持ち主に関わる制度・業界の出来事を伝えています。運営: 奥義合同会社(運営者情報)

事実は、国の発表・法令・メーカーの公式発表の原文に当たって書いています。

関連するニュース

出典と参考資料

  1. 埼玉県トラック協会「ダンプトラック部会設立に関する説明会の資料について」2026年10月23日(10月26日更新) https://www.saitokyo.or.jp/13734/
  2. 同 資料「部会設立の概要等について」 https://www.saitokyo.or.jp/wp-content/uploads/2026/10/aceb7bbd31bdb562085fa32481383c6f.pdf
  3. 同 資料「全ト協ダンプトラック部会活動について」(全日本トラック協会・2026年10月27日) https://www.saitokyo.or.jp/wp-content/uploads/2026/10/70cc420dcd7c53941e96e21c53c209f9.pdf
  4. 同 資料「ダンプトラック部会 設立について」(2026年10月27日) https://www.saitokyo.or.jp/wp-content/uploads/2026/10/ad2d1bb5526d09b8738bc5a3e5b928ae.pdf
  5. 同 資料「ダンプトラック部会事業(案)とスケジュール(案)」 https://www.saitokyo.or.jp/wp-content/uploads/2026/10/c44c06bc10fba7150010a647491b6ca6.pdf
  6. 国土交通省「トラック適正化二法について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000019.html
  7. 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第2条・第3条・第65条の2・第70条・第75条・第80条(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083
  8. 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第78条・第81条・第97条(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000183
  9. 国土交通省 事務連絡「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」令和8年2月10日 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001991817.pdf
  10. 国土交通省「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」(簡易版) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001999757.pdf
  11. 国土交通省「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いに関する説明会」2026年3月(説明資料) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001992319.pdf

アイキャッチの画像: AIで生成したイメージです(実在の車両・現場の写真ではありません)

訂正・追記

  •  白トラの委託を禁じる貨物自動車運送事業法 第65条の2と罰則(第75条第14号・第80条)、白ナンバーで運ぶ側の罰則(同法 第70条・道路運送法 第78条・第81条・第97条)、自家用ダンプカーの事務連絡(令和8年2月10日)の条件と雇用関係の判断基準、立場ごとに確かめることを追記しました。
  •  本文に、国土交通省の説明会資料の図(出典つき)を追加しました。
売り方診断約1分