車両・メーカー 公開 更新
新型キャンターは2026年2月発売・6月に一部改良
型式の見方と次期型の手がかり
三菱ふそうトラック・バスは2026年2月16日、小型トラック新型「キャンター」を発売し、6月9日には電動パーキングブレーキを標準装備にする一部改良を加えた(1.5トン積載車とエコモデルを除く)。2月の改良では、エンジン本体の改良と空気抵抗の低減によって、全車種で「2025年度重量車燃費基準(JH25モード)」を達成している。三菱ふそうが5月のジャパントラックショー2026で初公開すると予告していた「新型」も、2月に発表したこの型である。次の全面的な作り直し(フルモデルチェンジ)の時期は発表されておらず、試作車やリーク画像の報道も、編集部が10月28日に確認した範囲では見つかっていない。この記事では、2月と6月の発表の違い、型式の見方、次期型の手がかりになる日野自動車との統合プラットフォームの話、報道の見方、いま乗っている人が確かめることを整理する。
この記事のポイント
- 2月に発売・燃費基準を全車種で達成JH25モードの燃費基準値を5%上回る燃費性能を実現し、一部車種では同燃費基準値+10%を達成した。
- 6月に電動パーキングブレーキを標準装備2026年9月から適用される法規制に対応するため、オプションだった装備を標準にした(1.5トン積載車とエコモデルを除く)。
- 次期型の時期は公表されていない日野自動車との統合プラットフォームは中型トラックから始まり、電気小型トラックの既存プラットフォームは三菱ふそうから日野へ供給して、2026年度内の生産開始を予定している。
マーカーを引いた文を節ごとに拾い読みするだけでも、要点が分かるように書いています。
三菱ふそうが2月16日に発売した新型キャンター
三菱ふそうトラック・バスは2026年2月16日、小型トラック新型「キャンター」を発売した。全国の三菱ふそう販売会社と三菱ふそう地域販売部門で販売を始めている。
「新型「キャンター」は、環境性能の改良によって従来モデルから燃費向上を実現し、全車種で「2025年度重量車燃費基準(JH25モード)」を達成しました。」三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2026年2月16日)
燃費は、JH25モードの燃費基準値を5%上回り、一部車種では同燃費基準値+10%に達している。発表の注によると、+10%の一部車種は、4P10+(T2)・エンジン出力96kW・デュアルクラッチ式AMT「DUONIC®2.0」に対応する車である。発表は、エンジン本体の改良と可変ジオメトリーターボ制御の適正化でエンジン効率を高め、空気抵抗を減らすエクステリアパーツと合わせて燃費を上げたと説明している。
外観では、フロントバンパーの形状を変え、空力性能を考慮して設計したドアバイザーを全車に標準で付けた。発表は、バンパーの形状を変えた狙いを、優しさを基調にしたデザインを目指したためと書いている。オプションで選べるセンターディスプレイは刷新され、「Apple CarPlay®」と「Android Auto™」に対応した。発表は「サイバーセキュリティ法規」にも対応したと書いているが、国内の保安基準のどの条にあたり、どの車にいつから適用されるのかは発表に書かれておらず、編集部では確認できていない(2026年10月28日)。
| 発売 | 2026年2月16日 |
|---|---|
| 燃費 | 全車種で2025年度 |
| 基準値+5%、 | |
| エンジン | 4P10+ |
| エンジン本体の改良と | |
| 外観 | フロントバンパーの |
| 法規・装備 | サイバーセキュリティ |
| センターディスプレイ | |
| 価格 | 発表の表は1車型だけ |
| ほかの車型の価格は |
6月9日の一部改良で電動パーキングブレーキを標準装備
三菱ふそうは2026年6月9日、新型キャンターを一部改良し、販売を始めたと発表した。改良の中身は、電動パーキングブレーキの標準装備である。
「スイッチ操作のみで確実に作動する電動パーキングブレーキの採用により、ドライバーの操作性向上と坂道などでのパーキングブレーキ掛け忘れを防止し、確実に制動力を保持するなど、駐車時の安心感向上に貢献します。」三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2026年6月9日)
発表の注によると、標準装備は1.5トン積載車とエコモデルを除く車が対象である。発表は、標準装備にした理由を2026年9月から適用される法規制への対応と書き、その法規制を、車両停止時にイグニッションOFFやドア開放などを検知して電動パーキングブレーキを自動作動させることを求める国際基準(UN-R13の改正)と注で説明している。従来、電動パーキングブレーキはオプション設定だった。
国内の保安基準のどの条・どの告示で、どの車にいつから適用されるのかは、6月9日の発表には書かれていない。編集部は10月28日に国土交通省の資料を探したが、該当する告示は確認できていない。6月の発表は、2月の型の燃費基準の達成とサイバーセキュリティ法規への対応も、あらためて挙げている。
2月と6月の発表の違い(2WG-FBA30と2WG-FBA60)
2月と6月の発表の表に載る車型は、2WG-FBA30と2WG-FBA60で、型式が違う。どちらもエンジンは4P10+(110kW・150PS)、変速機は5速マニュアル、主な仕様は標準ルーフキャブ・強化ダンプ・全低床で、東京地区販売価格(消費税含む)は2月が7,191.80千円、6月が7,588.90千円になっている。
| 2026年2月16日の発表 | 車型: エンジン: 変速機: 主な仕様: 東京地区 写真の説明: |
|---|---|
| 2026年6月9日の発表 | 車型: エンジン: 変速機: 主な仕様: 東京地区 写真の説明: |
6月の表の価格(7,588.90千円)は2月の表の価格(7,191.80千円)より高いものの、型式の違う車を比べているため、この差を一部改良による値上げの幅として読むことはできない〈推論〉。同じ型式の車の改良前と改良後の価格は、2本の発表のどちらにも載っていない(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。写真の説明は2本とも「FBA30B21S00L」で、6月の発表の写真は2月と同じ車型の車とみられる〈推論〉。
2024年2月の「新型モデル」との違い
三菱ふそうは2024年2月21日にも、キャンターの「新型モデル」を発売したと発表している。
「新型「キャンター」はインテリアを14年振りにリニューアルし、シックで統一感のある内装カラーや洗練されたスタイルの採用により、機能性を兼ね備えた新たな内装デザインに生まれ変わりました。」三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2024年2月21日)
10インチのフル液晶メーターとステアリングスイッチ、衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト 5」、リヤビューカメラは、2024年2月の新型モデルで加わった装備である。リヤビューカメラは、2024年5月から施行される後退時車両直後確認装置の義務付けに対応するために装備したと、このときの発表に書かれている。左折巻き込み防止機能「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」は、並走する歩行者や自転車の巻き込みなどを想定してブレーキ操作をサポートする装備で、デュアルクラッチ式AMT「DUONIC®2.0」車のみに設定された。発表は、この装備が必ずしも衝突を回避できるものではないとも書いている。
2026年2月16日の発表に挙がる変更は、エンジンと燃費、フロントバンパーとドアバイザー、サイバーセキュリティ法規への対応、センターディスプレイの刷新で、安全装備の変更は書かれていない(2026年2月16日の発表)。三菱ふそうの2026年の2本の発表には「フルモデルチェンジ」という語は無く、6月の発表は2月の変更を「2026年2月のモデルチェンジ」と呼んでいる。
キャンターの型式の見方(2WG-FBA30を例に)
車検証の型式が「2WG-FBA30」なら、ハイフンの後ろの「FBA30」が車台型式にあたり、車台番号は「FBA30-」に一連番号が続く形になる〈推論〉。日本自動車工業会の車台番号一覧表は、型式・車台型式・番号の範囲を並べた表で、三菱ふそうの2025年の表には「FBA30」の車台型式が「2RG-FBA30」の行に載っている。国土交通省のリコールの届出一覧表も、車台番号の範囲を「FBA30-601289~FBA30-610529」のように書いている。
2026年の発表の型式「2WG-FBA30」と届出一覧表の「2RG-FBA30」は、車台型式が同じで、ハイフンの前の3字が違う。2025年の車台番号一覧表に「2WG-FBA」で始まる行は無い(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。発表の写真の説明にある「FBA30B21S00L」も頭の5字が車台型式と同じだが、後ろの「B21S00L」の意味を説明した資料は、編集部では確認できていない。
ハイフンの前の3字は、国土交通省の「自動車排出ガス規制の識別記号(参考)」(令和7年1月10日現在)の表で読める。表の2桁目は燃料の別とハイブリッドの有無の欄で、軽油の「R」は「無(10%達成(2015重量車))」、「W」は「無(適用(2025重量車))」の記号になっている。同じ表に当てはめると、1桁目の「2」は「平成28年規制」(注は「ディーゼル重量車及び二輪車」)、3桁目の「G」は用途が貨物・乗合で「車両総重量が3.5トン超」の記号で、2WGと2RGで違うのは2桁目である〈推論〉。2月の発表が全車種で2025年度重量車燃費基準を達成したと書いていることから、2RGから2WGへの変化は、表の区分が2015年度の重量車の基準から2025年度の重量車の基準に移ったことを表しているとみられる〈推論〉。

| 2WG-FBA30 | 2026年2月16日の 4P10+ 110kW(150PS)・ 標準ルーフキャブ・ 東京地区販売価格7,191.80千円 |
|---|---|
| 2WG-FBA60 | 2026年6月9日の 4P10+ 110kW(150PS)・ 標準ルーフキャブ・ 東京地区販売価格7,588.90千円 |
| 2RG-FBA30 | リコール届出番号5886の 車台番号 FBA30-601289~ 製作期間 令和6年5月14日~ 対象 559台 |
| 2RG-FBA60 | リコール届出番号5886の 車台番号 FBA60-605449~ 製作期間 令和6年5月7日~ 対象 2,620台 |
三菱ふそうのキャンターの製品ページには、型式・諸元・価格の一覧が無く、製品ページからはカタログのダウンロードと郵送の申し込みに進む形になっている(2026年10月28日に編集部が確認)。車両総重量やホイールベースなどの諸元は、編集部では公開のページから確認できていない。
出典: 三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2026年2月16日・6月9日)、日本自動車工業会「車台番号一覧表」三菱ふそう・2025年、国土交通省 リコール届出一覧表(届出番号5886・2026年10月8日届出)、国土交通省「自動車排出ガス規制の識別記号(参考)」(令和7年1月10日現在)
ジャパントラックショー2026の展示・New Eraとのコラボ
三菱ふそうは4月20日、2026年5月14日から16日までパシフィコ横浜で開かれた「ジャパントラックショー2026」への出展を発表し、新型キャンターを初公開すると予告した。
「初公開車両として、2月に発表した小型トラック「キャンター」の新型モデルを2台展示します。」三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2026年4月20日)
トラックショーで初公開すると予告された「新型キャンター」は2月に発表した型で、4月の発表は、2台のうち1台をコラボレーションを記念した特別塗装の車にするとしていた。4月の発表が「スポーツ・ライフスタイルのグローバルブランド」とだけ書いていたコラボの相手は、5月13日の発表で「New Era®」と明かされた。同じ発表は、New Era®を「MLB 唯一の公式選手用キャップサプライヤー」と紹介している。5月13日の発表は、このコラボを、新型キャンターが掲げる「十人十色のビジネスに」というテーマをより具体的なかたちで提案する取り組みと位置づけている。
5月13日の発表によると、トラックショーで初公開するコラボの車は展示用特別仕様車で、販売はしていない。5月13日に始まった「New Era®×CANTER」コラボ見積キャンペーンは、キャンター自家用車(レンタカー除く)の見積もりを取って応募した人から、抽選で合計1,000名にコラボレーションキャップを贈るもので、応募は第1回が6月30日まで、第2回が9月30日までだった。コラボレーションキャップは、オンラインパーツショップ「三菱ふそう_ショップ」で8月頃から販売する予定と発表されていた。
次期キャンター・フルモデルチェンジの手がかり
次のキャンターの全面的な作り直し(フルモデルチェンジ)の時期は三菱ふそうの発表に書かれておらず、試作車の目撃やリーク画像の報道も、編集部が10月28日に検索した範囲では見つかっていない。手がかりになるのは、ARCHIONグループの日野自動車と三菱ふそうが進める「統合プラットフォーム戦略」である。
8月26日の発表によると、戦略の第一歩は中型トラックで、日野から三菱ふそうへ既存プラットフォームを供給し、三菱ふそうは新型「ファイター」として発表した。中型トラックに続いて、電気小型トラックの既存プラットフォームを三菱ふそうから日野へ供給し、2026年度内に生産を始める予定とされている。
「中長期的には、各社の技術力を活かして統合プラットフォームを新規開発し、お客様へ高い品質の製品をコスト競争力のある価格で持続的に提供していきます。」ARCHION・日野自動車・三菱ふそうトラック・バス プレスリリース(2026年8月26日)
報道では、Car Watch(2026年5月18日)が、ARCHIONの中期経営計画の会見の内容として、2026年度中に日本市場向けの新型中型トラックと電動の小型トラックを導入し、その後は海外向けの中型・小型・大型トラックを順次統合プラットフォームへ転換して、2032年度までにグローバル総生産台数の85%以上を移すと伝えた。MONOist(2026年8月27日)は、統合プラットフォームの新規開発を戦略の第2段階とし、その開発期間を新型車と同程度の3~5年と想定していると報じている。
10月13日から16日に幕張メッセで開かれたJAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2026について、9月18日の出展の発表は、主な展示内容に「脱炭素社会実現への取り組み」「自動運転技術の取り組み」「人材基盤の強化・整備士育成の取り組み」の3項目を挙げている。このうち車両の展示は水素エンジンを積む大型トラックのコンセプト車両で、電気小型トラック「eCanter」はパネル展示で紹介するとしており、ディーゼルのキャンターの新しい車両は挙げていない(2026年9月18日の発表)。国内のディーゼルのキャンターがいつ統合プラットフォームに移るかは、編集部が読んだ発表と報道のどれにも書かれていない。次のキャンターが新しく開発する統合プラットフォームで作られるとすれば、新規開発に3~5年が想定されているという報道に照らして、全面的な作り直しの話が具体的に出るまでには、まだ時間がかかるとみられる〈推論〉。
報道の見方(ベストカーWeb・LOGISTICS TODAY)
ベストカーWeb(トラックマガジン「フルロード」編集部・2026年2月18日)は、2月の改良で排ガス後処理装置(ATS)を新設計のユニット型に改め、搭載位置をシャシー右側に変えたと報じ、「特にリアオーバーハング周りの架装性が向上している」と書いている。同じ記事は、尿素SCRに加えてDPFにもSCR触媒機能を持たせてNOx浄化率を上げたこと、車型展開は従来モデルと同一であること、シングルキャブ荷台長3.1m車とダブルキャブ荷台長2.1m車の燃料タンク容量を60リットルに変えたことも伝えている。これらは三菱ふそうの2月16日の発表には書かれておらず、媒体の取材による情報である。
ベストカーWeb(2026年6月12日)は、6月の一部改良について、電動パーキングブレーキの標準装備はスタンダードグレードとカスタムグレードが対象で、エコグレードと積載量1.5トン車型(FBA00系)は従来の手動(ハンドレバー)操作を続けると伝えた。同じ記事は、この規定はキャンターを含む継続生産車には2026年9月から適用され、新型車には2024年から適用済みと書いている。国内の告示の条と適用日は、編集部では確認できていない(2026年10月28日)。
LOGISTICS TODAY(2026年4月20日)は、トラックショーへの出展を伝える記事で、物流業界では脱炭素対応や人手不足、コスト上昇などの課題が顕在化しているとしたうえで、三菱ふそうの展示を「従来車両の効率化と電動化・水素技術の両軸で対応策を提示するもの」とみている。同じ媒体の6月9日の記事は、新型キャンターを物流や建設など幅広い現場で使用される小型トラックとし、法規対応と安全性能強化を通じて事業者の運行を支援すると紹介した。
出典: ベストカーWeb(2026年2月18日・6月12日)、LOGISTICS TODAY(2026年4月20日・6月9日)(2026年10月28日に確認)
いまキャンターに乗っている人が確かめること
2026年10月8日に届け出られたリヤビューカメラのリコール(届出番号5886)には、キャンターの型式も含まれている。届出一覧表によると、リヤビューカメラのソフトウェアが不適切なため、カメラの起動時に内部データが破損して映像信号を正常に出力できないことがあり、そのため後退時にリヤビューモニターに車両後方の映像が映らず、保安基準に適合しない。改善措置は、全車両のリヤビューカメラのシリアルナンバーを確認し、不具合品が装着されていた場合は対策品に交換する内容で、取り付け角度に調整が必要な場合は調整を行うとしている。
上の型式の表の「2RG-FBA30」「2RG-FBA60」も、この届出の対象の型式に入っている。一方、2026年の発表の型式(2WG-)は、届出一覧表の「計 90 型式」に入っていない(2026年10月28日に編集部が届出一覧表の型式を数えた結果)。届出一覧表は、車台番号の範囲には対象とならない車両も含まれている場合があるとしており、対象かどうかは三菱ふそうのお客様相談センター(0120-930-397)か販売店で確かめられる。型式ごとの一覧は、当サイトの10月のトラック・建機のリコールの記事にまとめている。
電動パーキングブレーキは、6月の改良で新しく売る車に標準装備された装備で、すでに使われている車への後付けについての記載は、6月9日の発表に無い。2024年2月の新型モデルでメーターや安全装備が変わっているため、部品や装備を確かめるときは、車検証の型式と車台番号を販売店に伝えると話が早い〈推論〉。
編集部の見方
2本の発表と統合の動きを並べて読む
01
「新型」の中身は燃費と法規への対応が中心
2026年の2本の発表に挙がる変更は、燃費基準の達成に向けたエンジンと空力の改良、新デザインのフロントバンパーなどの外観、サイバーセキュリティ法規と電動パーキングブレーキの法規への対応、センターディスプレイの刷新である。内装の一新と、衝突被害軽減ブレーキやリヤビューカメラなどの装備の追加は、2024年2月の新型モデルで行われている。
キャブの形を変えたとはどちらの発表にも書かれておらず、2026年の「新型」は、燃費と法規への対応を中心に、外観とセンターディスプレイにも手を入れた改良とみられる〈推論〉。ベストカーWeb(2026年2月18日)は、排ガス後処理装置の設計と搭載位置の変更も報じており、発表に書かれていない部分にも改良が及んでいる可能性がある〈推論〉。燃費基準を全車種で達成したことで、燃費を重く見る事業者には検討の材料が増えたといえる〈推論〉。
02
価格の差は型式の違いを含む
2月の表は2WG-FBA30で7,191.80千円、6月の表は2WG-FBA60で7,588.90千円である。エンジン・変速機・主な仕様の欄は同じ書き方になっている。
型式の違う車の価格を並べているため、6月の改良での値上げの幅は、2本の発表からは分からない〈推論〉。改良の前と後で比べたい人は、同じ車型の見積もりを販売店で取り直すのが確実な比べ方になる〈推論〉。
03
次の型の手がかりは統合プラットフォーム
8月26日の発表は、中型トラックから統合プラットフォーム戦略を始め、中長期的には統合プラットフォームを新規開発するとしている。報道は、新規開発の期間を3~5年、2032年度までに85%以上を統合プラットフォームで生産する計画と伝えた。
ディーゼルのキャンターの次の型の時期は発表と報道のどちらにも書かれておらず、当面は2026年の型に改良を重ねる形が続くとみられる〈推論〉。新しい発表が出たら、この記事に追記する。
出典: 三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2024年2月21日・2026年2月16日・6月9日・9月18日)、ARCHION・日野自動車・三菱ふそうトラック・バス プレスリリース(2026年8月26日)、Car Watch(2026年5月18日)、MONOist(2026年8月27日)、ベストカーWeb(2026年2月18日)(2026年10月28日に確認)
まとめ
- 三菱ふそうは2026年2月16日に小型トラック新型「キャンター」を発売し、全車種で2025年度重量車燃費基準(JH25モード)を達成した。
- 6月9日の一部改良で、2026年9月から適用される法規制に対応するため、電動パーキングブレーキを標準装備にした(1.5トン積載車とエコモデルを除く)。
- 2月の発表の表の型式は2WG-FBA30、6月は2WG-FBA60で、型式が違うため価格の差は値上げの幅とは読めない〈推論〉。
- リコールの届出一覧表と2025年の車台番号一覧表では、同じ車台型式が2RG-FBA30・2RG-FBA60として載っている。国土交通省の識別記号の表では、2桁目の「R」は「無(10%達成(2015重量車))」、「W」は「無(適用(2025重量車))」の記号である。
- 三菱ふそうがジャパントラックショー2026で初公開すると予告した新型は2月に発表した型で、New Eraとのコラボの車は販売していない展示用特別仕様車である。
- ベストカーWeb(2026年2月18日)は、発表に書かれていない排ガス後処理装置の設計と搭載位置の変更を報じ、架装性が向上していると書いている。
- 次期型の時期とリークは確認できておらず、日野自動車との統合プラットフォームは中型トラックから始まっている(2026年10月28日に編集部が確認した範囲)。
よくある質問
新型キャンターはいつ発売された?
三菱ふそうは2026年2月16日に小型トラック新型「キャンター」を発売しました。6月9日には一部改良を加え、電動パーキングブレーキを標準装備にしています(1.5トン積載車とエコモデルを除く)。三菱ふそうが5月のジャパントラックショー2026で初公開すると予告していた車も、2月に発表した型です(2026年4月20日の発表)。
新型キャンターはフルモデルチェンジ?
三菱ふそうの2026年の2本の発表に「フルモデルチェンジ」という語は無く、6月の発表は2月の変更を「モデルチェンジ」と書いています。変わったのは、エンジン本体の改良、可変ジオメトリーターボ制御の適正化、フロントバンパーの形状の変更、ドアバイザーの標準装備などです。内装は、2024年2月の新型モデルで「14年振り」に一新されています。
新型キャンターの価格は?
発表の表に載る東京地区販売価格(消費税含む)は、2月の2WG-FBA30が7,191.80千円、6月の2WG-FBA60が7,588.90千円です。2つは同じエンジン・変速機・主な仕様の車ですが、型式が違うため、7,588.90千円と7,191.80千円の差を値上げの幅として読むことはできません〈推論〉。ほかの車型の価格は発表に載っていないため、販売店で見積もりを取って確かめてください。
電動パーキングブレーキは後付けできる?
6月9日の発表は、新しく売る車に標準装備するという内容で、すでに使われている車への後付けについての記載はありません(2026年6月9日の三菱ふそうの発表)。発表の注によると、対応した法規制は、車両停止時にイグニッションOFFやドア開放などを検知して電動パーキングブレーキを自動作動させることを求める国際基準(UN-R13の改正)です。手元の車に付けられるかは、販売店で確かめてください。
型式の「2WG」と「2RG」の違いは?
違いは頭の3字の2桁目で、国土交通省の「自動車排出ガス規制の識別記号(参考)」(令和7年1月10日現在)では、軽油の「R」が「無(10%達成(2015重量車))」、「W」が「無(適用(2025重量車))」の記号です。同じ表に当てはめると、1桁目の「2」(「平成28年規制」)と3桁目の「G」(貨物・乗合の「車両総重量が3.5トン超」)は2つの型式で同じです〈推論〉。2026年2月の発表は全車種で2025年度重量車燃費基準を達成したとしており、2RGから2WGへの変化はこれに対応しているとみられます〈推論〉。2RG-FBA30・2RG-FBA60は、2025年の車台番号一覧表とリコールの届出一覧表に載っている型式です。
次期キャンターのリークはある?
試作車の目撃やリーク画像の報道は、編集部が2026年10月28日に検索した範囲では見つかっていません。8月26日の発表では、日野と三菱ふそうの統合プラットフォームは中型トラックから始まり、電気小型トラックの既存プラットフォームを三菱ふそうから日野へ供給して2026年度内に生産を始める予定とされています。ディーゼルのキャンターの次の型の時期は、この発表に書かれていません(2026年8月26日の発表)。
自分のキャンターがリコールの対象か調べるには?
2026年10月8日に届け出られたリヤビューカメラのリコール(届出番号5886)には、キャンターの型式も含まれています。届出一覧表は、車台番号の範囲には対象とならない車両も含まれている場合があるとしており、使用者にはダイレクトメール等で通知するとしています。対象かどうかは、三菱ふそうのお客様相談センター(0120-930-397)か販売店に車台番号を伝えて確かめてください。
New Eraとのコラボの車は買える?
ジャパントラックショー2026で初公開すると発表されたコラボの車は展示用特別仕様車で、販売はしていないと5月13日の発表に書かれています。コラボ見積キャンペーンは、キャンター自家用車(レンタカー除く)の見積もりを取って応募した人から、抽選で合計1,000名にコラボレーションキャップを贈るもので、応募期間は2026年9月30日までの2回でした。キャップは「三菱ふそう_ショップ」で8月頃から販売する予定と発表されていました。
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関連するニュース
出典と参考資料
- 三菱ふそうトラック・バス「小型トラック新型「キャンター」を発売」2026年2月16日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/02/16/new-canter-launch-japan/
- 三菱ふそうトラック・バス「新型「キャンター」を一部改良し発売」2026年6月9日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/06/09/new-canter-update/
- 三菱ふそうトラック・バス「小型トラック「キャンター」新型モデルを発売」2024年2月21日 https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2024/02/21/小型トラック「キャンター」新型モデルを発売-2/
- 三菱ふそうトラック・バス「「ジャパントラックショー2026」に出展」2026年4月20日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/04/20/truck-show-2026/
- 三菱ふそうトラック・バス「新型「キャンター」と「New Era®」がコラボレーション」2026年5月13日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/05/13/canter-newera/
- ARCHION・日野自動車・三菱ふそうトラック・バス「ARCHION 成長戦略の中核「統合プラットフォーム戦略」の第一歩となる新型中型トラックを日野・三菱ふそう両ブランドから発表」2026年8月26日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/08/26/integrated-platform-strategy-truck/
- 三菱ふそうトラック・バス「「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2026」に出展」2026年9月18日(PDF) https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2026/09/18/jms2026/
- 三菱ふそうトラック・バス「キャンター」製品ページ https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/product/canter/
- 日本自動車工業会「車台番号一覧表」三菱ふそう・2025年(PDF) https://www.jama.or.jp/operation/maintenance/frame_number/pdf/2025/2025_chassis_fuso.pdf
- 国土交通省「リコールの届出について(三菱 ふそうキャンター 他)」2026年10月8日 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_005853.html
- 国土交通省「自動車排出ガス規制の識別記号(参考)」令和7年1月10日現在(PDF) https://www.mlit.go.jp/common/001179991.pdf
- ベストカーWeb「三菱ふそうキャンターが2026年モデルへ進化! 燃費改善で全車JH25モード基準値を超過達成!!」2026年2月18日(報道) https://bestcarweb.jp/fullload/1446937
- ベストカーWeb「9月の法規改正に対応! 三菱ふそうキャンターが電動パーキングブレーキを標準装備!」2026年6月12日(報道) https://bestcarweb.jp/fullload/1545969
- LOGISTICS TODAY「三菱ふそう、新型キャンターをトラックショーで初公開」2026年4月20日(報道) https://www.logi-today.com/941304
- LOGISTICS TODAY「キャンター改良、電動パーキングを標準装備」2026年6月9日(報道) https://www.logi-today.com/962319
- Car Watch「アーチオンが中期経営計画発表 統合のシナジーなどで2032年度に営業利益率10%以上を目指す」2026年5月18日(報道) https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/2109396.html
- MONOist「2段階で進む日野と三菱ふそうのプラットフォーム統合、まずは中型トラックから」2026年8月27日(報道) https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2608/27/news053.html
アイキャッチの画像: AIで生成したイメージです(実在の車両・現場の写真ではありません)
訂正・追記
- 価格の欄に、発表の表の表記どおり「消費税含む」を書き足しました。
- 本文に、国土交通省の自動車排出ガス規制の識別記号の表の図(出典つき)を追加しました。


